世界を上回るペースでBoxが日本で受け入れられている理由 「Box AI」で加速する社内コンテンツの活用
IT担当に人が割けない中堅中小企業にBoxが最適な理由
―― 最近では、どんな事例がありますか。 古市 あずきバーで有名な井村屋グループでは2017年からBoxを採用し、メールへの添付ファイルの暗号化への対策や、紙で蓄積されていた技術継承に関する資料をデジタル化し、このプラットフォームにBoxを利用しています。 その後もBoxのプラットフォームを活用して、生産現場の機器操作で不明なことがあるとQRコードを読み取ってマニュアルや動画をタブレットに表示したり、ペーパーレス会議システムに採用したり、社内託児所の子供の様子を配信するといったことが行われています。 さらに外部の協力会社とのFAXやメールでのやりとりをBoxに移行し、生産依頼書や注文書、請求書、出来高実績、納品伝票などをBox上で共有し、自動通知する仕組みへと変更しました。また、社員を対象にしたフォトコンテストにもBoxを利用しています。社員が応募すると「Box Relay」でメタデータを付与して、写真データを管理します。コンテストの審査が終わると、「Box Hubs」に登録して公開する仕組みを構築しています。 今後は協力会社の社員にも参加を募る予定で、その際にもこの仕組みがそのまま応用できます。井村屋グループでは、こういった取り組みをIT部門の社員だけでなく、現場からの意見を元に、Boxの活用が進んでいると聞いています。 一方、Boxでは大規模災害が発生した際に、被災地に対して無償でサービスを提供する「災害支援プログラム」を用意し、2024年1月に発生した能登半島地震においてもこれを実施しました。復興支援に取り組む団体同士での各種資料の共有や、被災地の現場から必要な資料の確認、現場の写真および動画のアップロードの際などに利用してもらいました。Boxであればデータ容量が無制限であり、まずはデータを入れてもらえればいいわけですし、共有も容易です。こういったところにもBoxが活用できるわけです。 ―― Boxの導入は中堅中小企業でも進んでいるのですか。 古市 Boxを利用しているユーザーの多くは中堅中小企業です。これらの企業がBoxを導入している理由は、業務プロセスを改善や電子帳簿保存法への対応など、デジタル化や自動化に取り組むといったことがきっかけになっています。 また、現場のアイデアを元にデジタル化や自動化を進めたいといった企業にも、Boxは最適なツールとなっています。Boxは中堅中小企業にとって、DX(デジタルトランスフォーメーション)の最初の一歩になるサービスであるともいえます。事業を成長させたいという企業には、ファイルやコンテンツを活用するための基盤としてBoxを活用してもらい、その上で各社のさまざまなクラウドサービスを使いこなしてもらいたいですね。 ラムサムウェアの被害にあったり、情報漏えいの問題に直面したりといった中堅中小企業が、その対策のためにBoxを導入しているケースも増えています。IT担当に人が割けない中堅中小企業や、社内情報のセキュリティを強化したいという企業にとっては、Boxは最適なツールだといえます。 ―― Boxを導入したものの、データの保存や共有のままで止まってしまっている企業も多いのではないでしょうか。こういった企業がBoxの機能を活用して、次のステップに踏み出すにはどうしたらいいでしょうか。 古市 例えば、Boxの活用を社内のデータ共有だけで利用しているというのであれば、これを協力会社や取引先とのデータ共有に活用してみることが利用拡大の第一歩となります。データをファイル添付とパスワードで送信するのではなく、Boxのリンクによって送付することで、セキュアな環境でのやりとりが可能になります。 Boxは容量無制限なので、まずは保管場所として利用することから始める企業が多いのですが、データは共有してこそ価値が出ます。ファイルそのものを動かさずに、共有できるBoxのメリットを生かしてほしいですね。 そして「Box AI for Documents」などを活用することで、Boxに格納されたドキュメントの要約や翻訳に加え、質問をしてそこから回答を得たり、新たなドキュメントを生成したりといったこともできます。Boxをデータ置き場に利用しているだけではもったいないですから、ぜひ、次のステップに踏み出してもらいたいですね。 Box Japanの中には、次にどんな用途で活用したらいいのかを検討していたり、悩んだりしていたりするお客さまをサポートする専任部隊として、カスタマサクセスマネジメント(CSM)チームがあります。より詳細なサポートが必要な際には、「Box Consulting」によるサポートも可能です。CSMでは、定期的なウェビナーや動画情報の配信も行っています。こうしたコンテンツも活用していただけると、新たな活用のヒントが生まれるかもしれません。