乃木坂46、ライブ中にカメラ落下で負傷者 たびたび起こるライブ中の惨事
乃木坂46の初の東京ドーム公演は会場外の一部ファンの音漏れ応援が問題になったことに加え、同じ公演で移動式カメラが落下し負傷者が出ていることが、翌日の昼ごろから徐々に大きく報道されるに至った。 落下事故は7日の公演中に発生。4本のワイヤーで吊るされた重量約40キロの撮影用カメラが約6メートル下の客席に落下。事故があった翌日の8日、乃木坂46は公式ホームページに謝罪文を掲載。撮影機材の落下で客が負傷したことにふれ、詫びるとともに、今後一層の安全管理をすることを約束。同所で2日目となる8日の公演は、同様の機材は使用せずに開催した。
過去にもあったライブ中の事故
コンサート会場での事故は人災・天災問わずたびたび起きてしまう。東京ドームでは昨年9月25日に行われた福山雅治のファンクラブ25周年記念ライブで、空気圧でテープなどを飛ばす、いわゆるキャノン砲という装置から発射されたテープが40代女性スタッフの右目を直撃。眼球破裂の重傷を負い、病院に搬送された。このライブの場合も今回の乃木坂同様、翌26日も続けて開催されたが、事故を受けてテープ発射はなかった。 ジャニーズの人気グループ・関ジャニ∞は、2008年4月3日に横浜アリーナで行われたコンサートで事故が発生。天井の石膏ボードの一部が剥がれ落ち、観客の母娘2名が負傷した。不審者が天井裏に侵入、足を踏み外して石膏ボードを破損したと見られている。落下したボードは縦70センチ、横1メートルで、重さ約4.3キロ。幸い軽傷だったため、母娘は会場で治療を受けてからコンサート観賞を続けた。 また、人災とは分けて考えなければいけないが、エイベックス主催の夏の野外ライブツアーa-nationのように、不幸にも天災に見舞われてしまったケースもある。2012年8月18日に大阪・長居公園の会場および周辺で2件の落雷事故が発生。1件目の落雷は午後2時15分ごろ、会場の近辺で起き、女性4名が病院に搬送され、心肺停止状態にあった2名のうち1名が死亡、もう1名が重体に。2件目の落雷は午後3時ごろ会場ブース付近で発生、男性1名と女性5名が負傷したが、グッズ売り場のノボリに落雷したとされている。死亡した女性の遺族・両親が主催者を相手取っての訴訟に発展したが、最高裁は上告を棄却、遺族側が敗訴している。 今回の乃木坂46のケースでは、カメラが椅子に落下したため軽傷で済んだが、「万一客を直撃していたら死亡事故の可能性もあったのでは」「安全確認せずに公演を続行したのは考えられない」「なぜ、事故があった当日に報道がなかったのか」など、運営の対応を疑問視する声もあがっている。 コンサート中はステージを注視する客がほとんどと考えられ、天井を見上げる客はまずいない。もし落下物があれば防ぎようはない。万全の対策をとって欲しいものだ。 (文・志和浩司)