鈴木愛は完走目標から無欲の優勝争い「真剣にやっても、こんなスコアは…」
◇国内女子メジャー◇JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 3日目(23日)◇宮崎CC(宮崎)◇6497yd(パー72)◇晴れ(観衆3707人) 【画像】これが正真正銘の双子コーデだ! グリーンに向かって打ち上げる18番パー4のタフなセカンドは195ydも残っていた。なかなかチャンスメークする番手とはいかない7Wだったが、鈴木愛は「かなりいいショットが打てました」とほほ笑む。5mにつけるバーディフィニッシュで「70」にまとめ、首位と5打差の通算7アンダー3位につけた。 今週に入って風邪の症状が出て、開幕前はのどの痛みや38℃の高熱にも悩まされた。日ごとに良くなっているものの、マスク姿でのプレーが続く。万全とはいかない中、この日は朝のパッティンググリーンで大きな“気付き”があったと声を弾ませる。
パットの名手があまりにも距離感が合っていなかった嘆くグリーン上。本来ならアドレスで自分の左サイドにあるカップ側をわずかに向いて構えたい顔のポジションが、ボールと正対するように右を向いていた点を修正した。 パターのフェースにボールが乗る感覚、フォロースルーの抜け感が劇的に良くなり、フック気味になっていたボールの回転も改善。悩ましかった距離感が合うようになった。「10年(以上)ゴルフをやっているので、勘だったり、雰囲気で感じる部分はある。そういうところは経験が生きているのかな」と胸を張る。
開幕前は出場も危うかったほどで、72ホールを回り切ることを目標にスタートした。上位への意欲について「ないですねえ…」と笑いながら続けた。「でも、それがいいんだと思います。ホントに難しいコースで、たぶん真剣にやっても、こんなスコア出ないので。上って下りみたいなグリーン(形状)ばっかりで縦距離を合わせるのも大変ですし、横だったりフォローだったり、微妙な風も加わってくる。(一歩引くどころか)だいぶ、遠くから自分を見ている感じで、ちょうどいいのかな」と達観している。
11年連続11度目の出場で、2018年大会の3位がこれまでのベストフィニッシュだった。自己最高はもちろん、優勝もまだまだ狙える位置。「いやー、厳しそうな気はしますけど、風が吹いてくれると、少しチャンスはあるのかなと思います」。最後まで控えめに展開を見据えた。(宮崎市/亀山泰宏)