ラニーニャ現象 春にかけて平常の状態に近づく可能性も エルニーニョ監視速報
気象庁は12日(火)、エルニーニョ監視速報を発表した。昨年夏からラニーニャ現象が発生しているとみられ、今後、春にかけてラニーニャ現象が続く可能性と、平常の状態になる可能性は同程度(50%)である。 2020年12月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は-0.9℃で、基準値より低い値だった。太平洋赤道域の中部から東部に見られる海洋表層の冷水が冬の間は東進し、東部の海面水温は平年より低い状態が継続すると考えられる。
エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温は、春にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測している。以上のことから、今後春にかけてラニーニャ現象が続く可能性と、平常の状態になる可能性は同程度(50 %)である。
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。