インフレ時代にその買い物でいいの?日本人が「安物買い」を今ちょっと見直すべき理由
今、世界中でインフレが急速に進んでいるという。教科書どおりに書くなら、インフレとはモノの値段が上がることで、100円で買えたものが150円出さないと買えなくなる状況だ。 よく「インフレに強いのは金や投資商品」と言われ、筆者も「インフレ対策に買ったほうがいいものは?」と質問を受けることが増えてきた。インフレではお金の価値が下がっていくので、モノに替えたほうがいい場合もあるが、はたして何を買うべきだろうか?
■手に入れたいのは持ち家、パソコン、車だが… そんな折に、興味深いアンケートを見た。2022年3月にリサーチ会社マイボイスコムが行った「消費スタイルに関するアンケート調査」における、自分にとって“手に入れる価値があると思うものは? と”いう質問への答えだ。 最も多かったのは、「持ち家」で36.6%、続いて 「パソコン」29.5%、「車」25.9%、そして「スマートフォン・携帯電話」が21.7%の順で上位を占める。
かたや、“なくてもかまわないと思うもの”については、「高級ブランドの服・バッグ」63.7%、「宝飾品」63.3%、「ゲーム機」が52.1%、と半数を超え、「コレクターズアイテム」「美容・エステ」「高級レストランでの外食」が各40%台となっている。 なお、回答者は10代~70代の男女だが、分布としては40・50・60代の占める割合が多めだ。 また、「自分の収入や資産にあった範囲で、堅実な生活がしたい」という考えに近い人が約9割で、 「多少家計で無理をしても、 高級なもの・質の高いものに囲まれた生活がしたい」という考えに近い人は1割強。「バブル景気の時代をうらやましく感じる」「車や高級ブランドを持っていることはステイタスになる」と考えている人は1割に満たない。見栄より実利を取る、非常に堅実な消費スタイルが伺える。
■手に入れる価値があるモノ=「消耗品」? 改めて先ほどの”手に入れる価値がある”と考えられているものを眺めると、いわゆる生活必需品ばかりが揃う。価格が変動する持ち家を除き、「パソコン」「車(高級車やビンテージカーではないだろう)」「スマートフォン・携帯電話」は、購入時点の価格が最も高く、その後は価値がどんどん下がっていく。いわば消耗品に近い。 逆に、“なくてもかまわないと思うもの”にあげられたものは、ゲーム機はともかく、「高級ブランドの服・バッグ」「宝飾品」など、不要不急の贅沢品が並ぶ。日本では長らく使えるお金(可処分所得)が増えていないため、暮らしに必要なものしか買う余裕がないようにも読み取れる。