娘の小学校から「自転車保険に加入を」のプリントが来ました。子ども用自転車は持っていますが、乗ることもなく置きっぱなしです。どうしても加入しなくてはならないのでしょうか?
自転車保険の加入義務化
自転車保険の加入が義務化されている背景には、全国の自転車が関わる事故に、高額な損害賠償請求がされる事例が多いことがあります。保険の加入義務化による、事故の被害者の保護と加害者の経済的な負担の軽減が図られています。 国土交通省によれば、令和6年(2024年)4月1日現在で、34の都府県で保険加入の義務化が、10の道県で努力義務化が、条例により制定されています。 図表3
出典)国土交通省 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について この加入義務については「自転車保険」に限られたものではなく、「自転車損害賠償責任保険等」となっています。つまり、必ずしも自転車保険である必要はなく、損害賠償責任を補償することができる保険であればよいということになります。そのため、個人賠償責任保険への加入でも、加入義務を果たしているといえます。 ■自転車に乗る機会がなくても加入は必要? 自転車保険の加入が義務となるのは、「自転車の利用者」です。そのため自転車を持っているだけでは、加入義務が生じることはありません。あくまで自転車に乗る場合において、保険加入の義務があることになります。 ただし、事故がいつ起きるかは予測できません。今は所有している自転車に乗っていなくても、将来的に乗る機会があるかもしれない場合は、保険に加入しておくと安心でしょう。 なお、自治体によっては、自転車に乗るかどうかにかかわらず、保険加入を義務付けている場合もあります。また、小学校などの学校でも地域のルールに従って、全員に加入を求めている可能性があります。自治体や学校のウェブサイトで、確認してみるようにしましょう。
すでに持っている保険でカバーされている場合もあるので、確認が必要
個人賠償責任保険は自動車保険や火災保険の特約として付加されているケースも多く、その場合でも賠償責任はカバーされるので、自転車保険の加入義務は果たしていることになります。 また、自分のための補償である傷害補償についても、自動車保険や火災保険でカバーされていたり、生命保険の特約として付加されていたりするケースもあります。 自転車保険に加入する際は、加入済みの保険と補償範囲が重複していないかを、しっかり確認するようにしましょう。
まとめ
自転車保険は、高額な賠償責任に備えるには、有効な手段の一つといえます。過去の事例では加害者が子どもとなっているケースも多いことから、自転車に乗る機会のある子どもがいる家庭では、損害賠償責任に備えることをしっかり検討しましょう。 出典 一般社団法人日本損害保険協会 2024年8月版 知っていますか? 自転車の事故 ~安全な乗り方と事故への備え~ 国土交通省 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について 執筆者:小山英斗 CFP(日本FP協会認定会員)
ファイナンシャルフィールド編集部