オーストラリアのやよい軒 サバ定食が2500円もする理由
出張で訪れる日本のサラリーマンは、口を揃えてオーストラリアの物価は高すぎると言う。確かに、資源ブームを背景とした息の長い経済成長で、この国の物価と賃金は先進国でも屈指の水準まで上昇した。しかし、決して急激なインフレに悩まされているわけではなく、長期的なトレンドで見ると物価は緩やかな伸びにとどまっている。オーストラリア準備銀行(RBA)によると、1993年から2013年までに消費者物価は1.7倍になったが、20年間のインフレ率を年率平均で見ると2.7%と、RBAのインフレターゲットである2~3%内に収まっている。 本家とのコンセプトの違い、また、オーストラリアの経済的背景もあって、サバ定食が2,500円になったわけだが、かつて日本人は、退職金で物価の安いオーストラリアに家を買って移住し、日本の年金で生活できた。また、日本の物価の高さは訪日したオーストラリア人の語り種だった。しかし、約20年にわたるオーストラリアの「インフレ」と日本の「デフレ」のギャップが、その立場を逆転させてしまっている。 (守屋太郎/日豪プレス特約) *為替レートは1豪ドル=96.66円(2014年8月12日のTTSレート)