“毒子”とは?「暴力行為で要望を実現」いい子が変身するケースも…家族はどう向き合う?
サトウさんは、そんな現状にストレスをためているが、「自立してほしいと思いながらも、孫もかわいく、(現状を)受け入れてしまう」と話す。専門家や行政への相談は考えず、「まだ自分たちでどうにかできると思っている」状態。また「10代の頃はそこまで困らせられたり、無理を言われたりした記憶はない」と振り返った。
■「いい子→毒子」のケースも…家族はどう向き合う?
毒子が親に要求する内容としては、「モノ買って!」と何でもかんでも親に買わせるかと思えば、「買い物行ってきて!」と言いつつも、気に入らないと返品し、また買いに行かせるケースもある。「家事して!」と、料理や掃除を任せて、座っているだけでご飯が運ばれ、食べ終わったら片付けてくれるよう強いるほか、「お金ほしい!」と年金や老後資金まで無心してくることもある。
毒子とその親子関係について詳しい心理カウンセラーの江崎英子氏は、毒子が生まれやすい家庭の特徴として、「親の都合で子どもへの対応が変わる」「親に自分の意見や自信がない」「親の言動が一致しない」「裕福な家庭で、何でも買い与える」「頼れる人がいない(ワンオペなど)」といった項目を挙げる。
突然「いい子」から毒子になるケースも多々あり、「今まで甘えられなかった子が、社会に出たり、子育てをしたりして、人間関係に迷ってもぶつける先がなく、一番身近な親にぶつけてしまう。現状がもっと悪くなるのではとの不安や恐れ、自信のなさから思い込むこともある」と説明。
また、親が要求を受け入れる線引きや断り方は「要求される物事は関係なく、子どもの要求を受け入れることに、自分は満足しているか・不満を抱いていないかが大事だ」とした上で、「状況説明だけで断わるのではなく、自分の気持ちを相手に伝えるべき」と話す。
多様性が尊重される時代ゆえの課題もあり、江崎氏は「各々が大切にしていることを認め合うのと、なんでもありの自由はぜんぜん違う。相手の思いを理解しながら、尊重し合うことが大切。手っ取り早く子育てできればいいわけではない」とした。 (『ABEMA Prime』より)