この秋に「超低速メガ台風」が次々と襲来!? 列島大混乱の"迷走"台風10号は序章に過ぎなかったのか?
そして、今後ラニーニャ現象(太平洋赤道域から南米沿岸にかけて海面水温が低くなる現象)が発生しそうです。ラニーニャが発生すると、一般的には日本の近くで台風ができやすくなります。 ラニーニャではないときは、日本からはるか東方の太平洋中部で台風は発生するんですが、ラニーニャになるとそこから西のほうに移動して、日本の真南あたりで発生します。台風の発生が日本に近ければ、それだけ日本に近づく台風も多くなるでしょう。 また、猛暑で残暑が厳しく、海面水温の高い状況が続けば、それだけ長い期間、日本の近くまで強い台風が接近する可能性が高まります。 例年は11月になると台風はかなり少なくなるのですが、今年はそう言い切れません。もしかしたら11月になっても強い台風が日本を襲うかもしれません。 このように、今年は例年とはかなり違った状況です。しかし、猛暑3点セットやラニーニャが続いていれば、こうした状況が普通になるわけです。そして、台風10号クラスの発生が普通になるということは、それよりも強力な台風が日本にやって来る可能性もあります。 台風10号は熱海市や静岡市など各地で観測史上最大の雨を降らせましたが、この記録を超えるような超低速メガ台風が日本に上陸するかもしれません」 原田予報士も台風10号を超える強力な台風が来るかもしれないと危惧する。 「過去の統計では、日本の太平洋側に接近する台風が増加しており、これらの台風の強度が強くなっていることがわかっています。また、今後は日本の南海上では猛烈な台風の存在頻度が増加すると予想されています。 ですから、今後は台風によってこれまで経験したことのないような雨や風が吹いたり、これまで起こらなかった地域で大雨になったり、普段は発生しないような場所で高波が発生するなどということが十分に考えられます。 台風10号では、重大な災害が起きる恐れが著しく高まっているときに出される『特別警報』が発表されました。今後は、これまでよりも気を引き締めて台風対策をしたほうがいいのではないでしょうか」 * * * 現在、日本の南海上では、台風の卵が続々と発生しているが、台風10号以上の大きな被害が起こらないことを祈りたい。 取材・文/村上隆保 写真/時事通信社