ヒロミやロンブーがユーチューブで紹介…安くて遊べる「カスタム軽トラ」が人気
人口減や若者の車離れなどで減少傾向にある国内の自動車販売台数。軽自動車の販売台数(乗用車・貨物車)も2014年の約227万台をピークに、2020年は約171万台と前年に比べて20万台ほども減少している(全国軽自動車協会連合会調べ)。 【関連】世界にたった100台…3.5億円“幻の名車”が一瞬にしてクズに そんななか、30、40代を中心に軽トラックをカスタムしてアウトドアなど趣味的に利用する人が増えつつあるという。荷台に組み立てて自転車などが積めるスチール製キャリアーや、キャンプの際に屋根代わりになる簡易テントといったパーツを用途に応じて装着できる。従来の軽トラのイメージを覆す見た目の格好よさも人気の秘訣だ。軽トラのカスタム用パーツ「ハードカーゴ」製造販売エフクラス(兵庫県)代表の田中宏之介さんに話を聞いた。 ■コロナ禍でアウトドアブームも追い風 「このブランドを開始して4年ほどですが、売り上げの8割は建築業や造園業といった業務用が占めていて、個人の購入は1割あるかないかです。ただ、新型コロナウイルスの影響が最近のアウトドアブームに拍車をかけていて、3密を避けながら外遊びをする人が増えているため、その流れで個人の購入が増えています。本格的なキャンピングカーやピックアップトラックは価格が高いですが、それほど費用をかけずに最新のものから古い軽トラでも比較的簡単にカスタムできますし、小型バイクやカヌーなども積めます。カスタムした状態で車検に通せるのも特徴です」 遊び道具としてカスタム軽トラを所有したいという問い合わせも多いとのこと。カスタム軽トラ人気は、ユーチューバー芸能人が火付け役ともいわれている。ヒロミやロンドンブーツ1号2号といった芸能人のユーチューブチャンネルでキャンプ動画の再生数が伸びており、動画の中で登場する彼らのカスタム軽トラの影響も大きい。 「パーツのネット通販も行っていますが、個人の場合、工具を持っている方が少ないため、全国各地にある200ほどの特約店で装着もできます。ほかにも中古車販売店でカスタム済みの完成品を販売しているところも増えています」 パーツは基本のキャリアーが9万8000円(税別)で、安いものだと1万円ほどから揃っている。10万円前後の購入が多く、最大でも30万円ほどでカスタムできるという。軽トラの新車価格は80万~150万円程度のため、新車のフルカスタムでも200万円はかからない。コロナ禍で火が付き始めたカスタム軽トラ人気は、今後ますます広がっていきそうだ。 (取材・文=伊藤洋次)