Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

志摩市長選<市政の課題・下>若者の減少 補助金で移住促進

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
伊勢新聞

 三重県の志摩市市民課がまとめた人口統計によると、今年9月現在の同市の総人口は4万8561人で、平成23年5月の5万6908人から8347人減少している。  65歳以上の高齢者人口は1万7704人から1万9300人へと増加し、高齢化率も31%から40%へと上昇。一方で、6歳未満の幼児数は2400人から1650人へと減少、20―40歳の子育て世代の数も1万1069人から7509人に減少するなど、他の市町に漏れず、人口減少と高齢化は課題の一つとなっている。  市は地方創成に向けた総合戦略の中で人口減少を食い止めるための対策を検討。29年度から、「若者・子育て世帯移住促進家賃支援事業」として40歳未満の若者らを対象に家賃を1カ月につき上限2万円まで最大1年間の補助を実施。また「IJU(移住)ターン促進のための奨学金返済補助事業」として、Uターン後1年以上居住する30歳未満を対象に奨学金の返済額の半額を上限20万円まで補助。昨年度実績は家賃支援が17世帯、奨学金補助が40人だった。  市総合戦略課の担当者は「長寿命化と共に市外に出てから戻ってくる若い世代の割合が減少しており、高齢化はある程度避けられない状況にある。働く場がないというより価値観が変わってきているという印象」と分析。市外への流出による「社会減」と「自然減」の両輪で対策を進めていく必要があるとしている。  同市大王町波切にある志摩市民病院の江角悠太院長(38)は、市の若者減少に関し「全国的に見ても小児科と産婦人科の医師が不足している。子育て世代が安心できない状況も一つの要因では」と指摘する。  市内には現在、志摩市民病院と県立志摩病院、豊和病院の3つの総合病院が置かれており、このうち急性期は志摩病院、回復期や在宅急性期は志摩市民病院、療養期は豊和病院と、それぞれ役割を担いながら連携を図っている状況という。  一方、小児科と産婦人科については外来対応の診療科を持つ病院はあるものの、入院などに備えた施設を抱える病院は存在しない。移動に最短の施設でも車で1時間以上は要する伊勢市の伊勢赤十字病院しかなく、緊急時の対応については不安が残るのが現状だ。  江角院長は「子育て支援や産後の妊婦ケアを拡充することがこれからを担う若い世代の安心安全につながる。この場所で子どもを生んで良かったと思える町にすることが次の50年にとっても重要」とし、「行政には各機関が思いを共有できる場を作ってもらい、思い切った改革を進めてもらいたい」と話した。

伊勢新聞