幼児期の先取り教育は逆効果だった…「小学校4年生で成績は逆転する」衝撃の研究結果と本当に必要な早期教育
■あれもこれも…は子供のためにならない 小学校入学の前と後では、子供を取り巻く環境は大きく変わります。小学校に入ると学習する教科が増え、習い事に通う子も多くなり、幼児期に比べて自由に遊べる時間が少なくなります。もちろん小学生になってからでも子供はどんどん学び、ぐんぐん成長しますが、主体性を育て、好奇心や探究心の基礎を育み、社会的スキルを身に付けるにベストな時期は、小学校入学前なのです。 そのため、先取り学習に熱心な親御さんを目にするたびに、私は「今、必要なことをやらせてあげなくて、いったいいつやるの?」と歯がゆい思いをしています。 わが子に幸せな人生を送ってほしいと願うなら、親の役割は、たくさん与えたり、先取り教育をさせたり、あれもこれもさせたりすることではありません。 子供が自分らしく輝くための手助けをすること。 子供を信じて、自立できるようにすること。 そのための土台となる環境づくりをすること。 ここまでSMILEに非認知能力、5つのスキルと、多くのスキルを紹介しましたが、この3つの基本姿勢を保つことこそが最低条件として必要なことであり、親の愛情だと私は考えています。 ---------- 中内 玲子(なかうち・れいこ) 日英バイリンガル幼稚園「そら幼稚園」創立者 台湾生まれ、日本育ち、アメリカ在住のトリリンガル(日・英・中)。3人の子どもたちもトリリンガルに育てた、2男1女(15歳、11歳、7歳)の母。グーグルなどシリコンバレーの企業に勤める親たちから人気の日英バイリンガル幼稚園Sora International Preschool創立者。AMIモンテッソーリ国際免許取得。日本で念願の幼稚園教諭になったものの、「みんな一緒」を重視する日本の保育に疑問を抱き、英語も話せない、知人もいない、お金もないまま24歳で渡米。さまざまな国籍の子どもが集まるシリコンバレーで保育を学ぶ。シリコンバレーでの生活は20年以上になる。サンフランシスコ州立大学音楽学部を卒業後、モンテッソーリの幼稚園勤務を経て、2007年に自身の理想の教育を実現する教育施設をつくり、2011年にカリフォルニア州認可幼稚園を設立。教育事業のアドバイスをするコンサルタントとしても活躍中。世界中の教育者が互いの思いやアイデアをシェアできる場をつくるために、教育現場を取材する活動を続けている。最先端企業が集まるシリコンバレーの視点をもとに、「自分の才能を伸ばし、国際社会で羽ばたける子」を育てる実践法を提唱。 ----------
日英バイリンガル幼稚園「そら幼稚園」創立者 中内 玲子