生物オタク女子大生・篠原かをり、レアすぎるペットとの愛あふれる日常生活
もうちょっと、可愛い虫の話はないのか。 「クワガタとかですか? あとハムスターや文鳥。一番好きなのは奈良県にいるルリセンチコガネっていう、メタリック・ブルーに光るきれいな虫なんですけど。あとは……虫じゃないですが、サソリとタランチュラを飼っています。あ、それとちっちゃいダンゴムシを色違いで。大きなダンゴムシもいたんですけど、飼育が難しくて半年ぐらいで死んじゃって。あとはヤモリが2種類、イモリとドジョウと……」 クワガタでホッとしたのもつかの間、サソリとタランチュラ……。ダンゴムシはともかくタランチュラなんか、かなり危ないのでは? 「タランチュラはもともと5種類いて、毒の強いのが2種類、3種類はおとなしいんです。ふれあったりしなければ攻撃してこないし、噛まれても死ぬことはないです。ただ、噛まれると痛いのと、毒の入った毛を飛ばしてくるんですけど、それがめっちゃくちゃかゆいんですよ。細いとげがいっぱい刺さってるような不愉快なかゆさ。でも、そのときは私がちょっかいかけたので。そういうことをしなければ大丈夫です」 ……噛まれていたのか。
「あと、ドブネズミ。実験用のラットを実験動物に使って、かわいいなと思って。すごいなつくんです。名前呼ぶと近づいてきてペロペロなめてきて。名前もつけてかわいがっていたんですけど、最後、解剖しちゃって。あのときは3カ月間ぐらい、大学行きたくないって気持ちになりましたね」
かなり濃い話なのだが、不思議と本人はさわやかな雰囲気の、笑顔が明るくてかわいい女子大生だ。友達とも飲みに行ったり、不得手なカラオケやダーツにもついて行くなど、キャンパスライフもちゃんと楽しんでいるよう。ちなみに実家には、ラブラドールレトリバーがいるらしい。賢くて、母親用の分厚い布団を自分で引っ張ってきてそこに寝るそう。 生物ひとすじの人生のようだが、過去、唯一、他に興味を持ったものがあるという。 「小学校高学年から中学にかけて、当時流行っていた宝塚歌劇団にハマっことがあります。なので、お芝居自体はすごい好きで、演劇も習ったことがあるんです。でも歌は、私よりヘタな人は見たことがない(笑)。ただそのころも、虫が”本妻”っていうのは変わらず、お芝居は”愛人”みたいなポジションでしたね」 まだ芸能活動をしている自覚はあまりないものの、出版活動とともに充実させていきたいという。 「自然全体が好きなので、番組などの企画で何日か無人島へ行ったり、海外の奥地へ行ってみたいですね。なんでも興味があるタイプなので、なんでもやりたいなって思います。演劇もやってみたいし、乗馬もしたい、もっともっと本も書きたい。いつかは子育てエッセイも書きたい」 迷いのない純粋でストレートなまなざし。クイズ女王で生物オタクの篠原かをりは、実は透明感のある素敵な女子大生でもあった。 (取材・文・撮影:志和浩司) 『サバイブ 強くなければ、生き残れない』麻生羽呂 作画/篠原かをり 著(ダイヤモンド社) 「Qさま!!」などで活躍中の生物学の天才・篠原かをりと、「週刊少年サンデー」連載の奇才漫画家・麻生羽呂が描く新感覚のビジネス書。計72種の生物から学ぶ「強い生き方」とは? 進化の過程で様々な武器を身につけてきた生物たちの「個性を強みにする生き方」をマンガで解説。