優待廃止の流れが加速!それでも買うべき「株主優待が魅力」の5銘柄
コーヒーから小麦製品、そして日用品まで値上げラッシュのなか、お得に外食できたり、ちょっと贅沢な詰め合わせが届いたりする株主優待は庶民の強い味方だった。
マルハニチロとオリックスが優待を廃止
しかし2022年5月だけで10社が株主優待の廃止を発表。今後は優待を取りやめる企業が続出している。 この異常事態を嘆くのは、個人投資家のまつのすけ氏(@matsunosuke_jp)だ。 「マルハニチロの高級カニ缶を肴に晩酌したり、オリックスのカタログギフトで海鮮丼の具を取り寄せたり。株主優待には自腹では買わない高級食材を味わえる満足感がありましたが、どちらも廃止が決定しました」
優待制度を維持する必要性が薄れた
まつのすけ氏は今後も優待を廃止する企業が現れるとの見方を示す。その理由とは? 「従来は東証1部、2部、ジャスダック、マザーズと分かれていた市場区分が、4月4日から『プライム市場』、『スタンダード市場』、『グロース市場』の3市場に再編されました。これに伴い、上場維持に必要となる株主数が2200人以上から800人以上へ大幅に緩和されています。 つまり、これまで株主数を確保することを目的に優待を実施していた企業からすると、無理して優待制度を維持する必要性が薄れたのです」
配当による還元への切り替えが加速
しかし、企業が優待廃止へ踏み切る要因はそれだけではないという。 「上場企業の企業統治を示した『コーポレートガバナンス・コード』第1章では『株主の権利・平等性の確保』が定められています。株主優待制度は最小単元を保有する個人投資家にとって有利ですが、大量保有する外国人投資家や機関投資家には恩恵が少ないため、株主平等の観点から配当による還元への切り替えが今後は加速しそう。 個人的には優待は日本独自のインカムゲインとして魅力を感じますが、時代の流れとして仕方のないことかもしれません」(まつのすけ氏)
続々廃止される人気優待
【オリックス(東プラ・8591)】 全国の名産品をカタログから選べる優待が個人投資家から好評だった。3年超の保有でもらえる優待のグレードが上がるなど、長期保有を見据えた制度だったが2024年3月末で廃止されることに。 【マルハニチロ(東プラ・1333)】 自社製品である海産品の缶詰や瓶詰が選べる株主優待を実施していたが、株主の平等性確保の観点から、公平な利益還元のあり方を検討した結果、配当等による直接的な利益還元がより適切と判断して廃止に。 【サニーサイドアップ(東プラ・2180)】 “世界一の朝食”を食べられることで有名な「bills」で看板商品「リコッタパンケーキ」などが優待券を使うと無料で楽しめたが、廃止に。発表の翌日は、個人投資家の投げ売りが殺到し、株価は大きく値を下げた。