高校生が“集大成”となるナナちゃん人形衣装作りに挑戦 作品には歴代の衣装を使用 愛知・稲沢市
“名古屋のシンボル”ナナちゃん人形。ユニークな衣装姿がお披露目されると話題にのぼりますが、その衣装を15年間作り続けてきた愛知県の高校の生徒たちが“集大成”となる衣装を作成。完成までの道のりを取材しました。
2020年12月。「服飾を学ぶ女子高校生が、これまでの集大成となる一着のドレスをデザインし制作します」と、中京テレビ「あなたの真ん中取材班」にメッセージが。メッセージの送り主は、愛知県稲沢市の愛知啓成高校の先生。 さっそく高校へ取材に行くと、中庭に、全長3メートルもある、大きな衣装がたくさん並べられていました。 実はこの衣装、“名古屋のシンボル”ナナちゃん人形の衣装なんです。 作ったのは同校の生活文化科の生徒たち。名鉄百貨店とともに、未来のデザイナー育成を目的に衣装づくりを行ってきました。 2005年から作ってきた衣装は全部で15着。有松絞りを使ったものや、白菜をイメージして作られた衣装もあります。
作業を見せてもらうと、これまでの大事な衣装にはさみを入れ、バラバラにしています。大丈夫なのでしょうか?
「今までの衣装が15個あるわけじゃないですか。思い出だから、全部入れちゃえーって」(デザイン担当 田畑紗穂さん) 実は、生活文化科は、今の2年生を最後に新入生の入学募集を停止。そのため、衣装づくりも今回が最後になり、歴代15着のパーツを使ったデザインにしたといいます。 「昔の先輩たちの思いとか、いろいろ感じさせられます」と田畑さん。衣装からパーツを切り取る手にも力が入ります。
切り取ったパーツはデザインに合わせて配置するのですが、悩んでいるのは胸元の部分。緑色のトゲトゲのパーツと、紫色の丸いパーツの配置が気になるようです。
大きな衣装は遠くから見ることも大事だそうで、机の上からデザインを確認。納得がいくまで、何度も場所を変えて悩みます。 「(15年間)ずっとかわいい感じだったから、ちょっとカチっとしたかった」と田畑さん。目指すは“スタイリッシュでカッコイイ”衣装です。 作業は年をまたいで続けられました。