【漫画メシ】冷やし中華にマヨネーズはアリ? グルメ漫画に学ぶ、多彩なメニュー
中華料理屋の店先に「冷やし中華始めました」というフレーズが並び始めると、夏の到来を感じてワクワクする人も多いのではないだろうか。冷たい中華そばとさっぱりしたスープに、お好みの具材を乗せて食べるというシンプルな料理は、漫画の中でも様々な形で登場している。『ミスター味っ子』や『クッキングパパ』、『美味しんぼ』など、お馴染みのグルメ漫画で紹介された冷やし中華を振り返ってみよう。 【画像】『ミスター味っ子』金魚の冷やし中華を再現! ■金魚の冷やし中華 『ミスター味っ子』の中華勝負で、味吉陽一が作った珠玉の逸品が「金魚の冷やし中華」だ。その名の通り、しっぽにきゅうりとアスパラの頭、背にはえび、中心に麺、唇にはまぐり、目にはうずらとさくらんぼで金魚の形を模してある。 麺にはザーサイと干しエビを細かく刻み、薄味のスープで味をつける。見た目の鮮やかさと美味しさを兼ね備えた冷やし中華なのだ。この鮮やかな料理を再現した人も多く、YouTubeでも散見される。 ■『クッキングパパ』荒岩流冷やし中華 『クッキングパパ』の荒岩一味が、出産を控えて元気がなく、食欲が出ないことに悩む広田けいこのために作った冷やし中華だ。 荒岩が作る冷やし中華のポイントはパイナップル。作り方は至ってシンプルで、錦糸卵、きゅうり、豚肉を用意したうえで冷やし中華用の麺を茹でていく。 茹で上がったあと、麺を皿に移したうえで、具材を持っていく。最後に刻んだ黄色いパイナップルとトマトを載せて完成となる。冷やし中華の麺スープとパイナップルの酸味、そして美しい見た目が、食べる者の心を盛り上げてくれるだろう。 ■海原雄山の冷やし中華 『美味しんぼ』の特徴的なエピソードの一つとして語られているのが、冷やし中華への評価だろう。 山岡士郎、海原雄山ともに冷やし中華を毛嫌いし、雄山に至っては女性記者から名前を間違えられたことで機嫌が悪くなっていたこともあってか、冷やし中華について質問されると雄山は「あんなものは中華料理ではない」、「下等なもの」と大激怒する。ところがそこで毛嫌いしていたはずの山岡が「新しい食べ物を理解しようとしていない」、「美味しい冷やし中華を食べさせる」と啖呵を切る。 山岡は岡星や王の助言を受けながら、中華麺と中国産の酢、そして国産の醤油、みりん、酒などを使ったスープ、きゅうりとおマチばっちゃんからもらった鶏肉などを乗せた冷やし中華を出す。 同席した人物が「おいしい」というなか、雄山は一人ダメ出しをして、自らも冷やし中華を作ってみせる。味に大差が出るとは思えなかったが、調味料をすべて中国のものにしたことで、味の差が歴然。山岡は敗北を認めるしかなくなってしまった。 雄山が使った中国産の調味料は具体的に明かされなかったため再現したという人はあまりいない様子だ。ぜひ、レシピを公開してほしいものである。 ■冷やし中華にマヨネーズ 『八十亀かんさつにっき』の作者である安藤正基氏が、Twitterに漫画を投稿したことでも話題になった「冷やし中華にマヨネーズをかけるか」という問題。 東海や関西では冷やし中華にマヨネーズをかけることが一般的になっているそうだが、他の地域ではあまりみられないとのこと。漫画によると、マヨネーズがけ冷やし中華の元祖は、東海地方を中心に絶大な人気を持つスガキヤなのだという。 ネット上でも「冷やし中華にマヨネーズをかける、かけない」は議論になっていて「かけないのはありえない」、「かけてしまうと冷やし中華として成立しない」などの声がある。 作り方が簡単であるがゆえに、豊富なバリエーションを持つ冷やし中華。暑さがましてきた昨今、好きな漫画のメニューを再現してみたり、オリジナルなメニューを開発してみてはいかがだろう。
佐藤俊治