“詐欺メイク”、ネガティブな印象にどう向き合う? ポジティブに変換したメーカー側の英断
■”自然に見える”ことが重要な詐欺メイク、やりすぎに見えないよう細部まで工夫
より自然に見えることも、現在の詐欺メイクのトレンドになっている。詐欺メイクは一つ間違えると不自然になり、「メイクが変」と言われてしまうほど、塩梅が難しい部分もあった。ユーザーは”自然に見える”ことに強くこだわるため、新商品発売の際には、パウダーの質やペンシルの筆感など、やりすぎに見えないように細部まで工夫を凝らしたという。 「涙袋で言うと、アイシャドウやアイライナーで強調しすぎてしまうと、それが不自然な印象を与えるきっかけになっていたと思います。『コンシーラーペンシル』はコンシーラーを使って涙袋を描くので、そうした不自然さの軽減にもなっています。ツヤのない、マットな質感を使って涙袋を作ることで、より本物の涙袋であるかのように見せるのがポイントです。また、涙袋を高く大きく見せるコンシーラーと、影をつけるリキッドライナーが一緒になっていて、これ1本で自然な涙袋が作れます。色味も薄くてナチュラル。口コミサイトでも『超自然』というコメントをいただいていますが、本当に自然な仕上がりになるように検討を重ねた色味になっています。 『描く粘膜ペンシル』は、目の際や下まぶたに描くものですから、より細かい作業になります。手元が安定するように、一般的なものよりも少し筆先が短く、コシのある肌当たりや形状にもこだわりました」 今後の展開については「やはり目元のブランドですので、今後も目元に特化したラインナップの製品を検討しております」という小川さん。「今後のトレンドもしっかりチェックしつつ研究を重ねて、今ユーザーの方がどういうふうにお顔を作っていきたいかということに寄り添った製品開発をしていきたいと思っています」。 PROFILE/小川麻衣 スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー 商品開発本部 企画2部 課長。『アイホリック』他、メイクコスメの企画・開発を行う。 文・水野幸則 撮影・小泉賢一郎