酷暑の8月は、歌舞伎座のゆうれい話でひんやりと。坂東巳之助さん・中村児太郎さんが父から引き継ぐ人情喜劇。
父がつとめた役を演じることについて、巳之助さんは「古典ではないし、特に負うものはないです。昔、父に踊りの稽古をつけてもらったときに『俺はお前みたいに手も足も長くないからこの先はわからない。自分のその身体を使って表現する方法は自分で考えなさい』と言われたことが僕の中に残っていて。親子ですし顔や声が似ていることがあっても違いはあるものなので、優れた部分は取り入れつつ、お客さまに楽しんでいただける芝居ができたら」。 児太郎さんは「父とはどうせ較べられますから。どんなお役でも『父はこうだった』と言われ続けているので、この世界にいる以上仕方ないです。納涼歌舞伎は『楽しかったね、また来たいね』と思っていただけることがいちばん。その憧れの一幕を責任ある立場で持たせていただけることが何よりも嬉しい。父含めて、巳之助さんと皆さまに感謝です」 「八月納涼歌舞伎」は8月4日から25日まで、東京・歌舞伎座で。
文・クロワッサン オンライン編集部
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