新型コロナ専門家会議 脇田座長らが会見(全文5)患者の数は増えていく
とても健康的な議論ができた
ニューヨーク・タイムズ:ありがとうございます。モトコ・リッチ、ニューヨーク・タイムズです。【(同時通訳聴取不能) 01:38:22~01:39:12】。 西浦:僕からいいですか。大規模イベントに関して専門家の意見が割れたというのは、とても健康的な議論ができたと僕は思っています。一部の専門家の先生は絶対に無理だと、今やるべきではないという話をしましたし、一部の先生方はそうでない意見を持っていたと。それがぶつけ合って、一定の示唆を出せたというのは、今ここで一定の評価をするものなのかなと思っています。 学校閉鎖に関しては科学的に分からないという話はお話ししたとおりです。今の時点では学校閉鎖がよしと出るのか、それともほとんど意味がないと出るのかというのに関しては、科学的な知見がないのでなんとも申し上げられないということです。 接触に関して、アメリカの例をお話しいただきましたけれども、今バーが閉鎖されたり、あるいは私たち研究所レベルでも、研究所に行っているとか、大学に行っているという人がまだいるという状態なのは、アジアの、この極東の日本とか韓国だけではないかと思います。アメリカではもう研究所にさえ皆さん行っていないぐらい、通常営業が止まっているんですね。
社会経済機能をなんとか維持できる形で
そんなぐらいソーシャルディスタンシングを強く打つべきなのかどうかという話なんですけど、私たちはそう考えていません。接触をなくすことで二次感染が減るんですけども、それと同時に皆さん、日本でやってきたことですけど、この1~2週間がクリティカルであるというお話をして、一定の協力をしてもらって、皆さんバーに行くのを控えていたり、あるいは無駄な接触をしないということだったり、フィットネスジムでは二次感染が連発したので、そこが一定期間閉鎖されていたり、一定の協力をしてもらいました。 問題であるのは、これから皆さんと話し合いたいと思っているんです。話し合いたいと思っているのは、例えば全てのバーが閉鎖されるような、アメリカのような状況が長期間持続可能かどうかということです。おそらくそうじゃないと思います。経済的インパクトがあまりにも大き過ぎて、そのような行動の自粛という範囲よりも、より強固な行動の制限というものは長く続けることができません。ただ、流行がパンデミックを起こしているので、一定の期間、長く、なんらかの形で行動が変わらないと流行が拡大してしまうというのは事実です。 今、私たちがなんとかして日本モデルで活路を見いだそうと思っているのは、社会経済機能をなんとかして維持できる形で、皆さんの行動でも無駄な部分をできる限り省いて、それでそのしわ寄せを得る社会的弱者というのを助けながら、なんとか持続可能な道を探れないかということを、科学者が寄り合ってクラスター対策班というのを組織して、必死に模索をしています。 おそらくそこにオプティマルな答えがあると信じて、まだみているんですけども、大変厳しい状況だとは思っていますけども、少なくとも今の質問に関して僕がお返事できるのは、長期間持続可能なオプションというのを今必死に考えていますし、それは国民の皆さんが簡単に譲歩できるものでないかもしれないということも事実であるので、その辺は皆さんで合意をするプロセスというものを、専門家としてもつくっていかないといけないと考えています。 脇田:はい、どうぞ。