新型コロナ専門家会議 脇田座長らが会見(全文5)患者の数は増えていく
地域間の往来自粛は効果が見込めるのか
朝日新聞:朝日新聞の【富田 01:33:53】と申します。先ほど川名先生が軽症者と重症者の入院の役割分担というお話をされましたけれども、もうすでに重症者を優先するような医療体制に移るべき地域が、もうあるというふうにお考えか、あるとしたらどの地域かということと、その重症者を優先するという医療体制にならないといけない懸念が高まっているような地域というのがあれば教えていただきたいというのが1点と、すいません、今、日経さんの質問にもありましたけど、兵庫と大阪の往来というのを、この3日間、3連休、3日間自粛するというお話だったようなんですけれども、その地域と地域の往来を自粛するということって、どれほどの効果が見込めるのかというのを教えていただければなと思います。 川名:まず最初のご質問ですけれども、もうすでに重症者を入れる方向にシフトしなくちゃいけない地域が出てきているかどうかというご質問だと思うんですけれども、例えばわが国の場合は、日本の場合は流行の当初、まだ国内で患者さんがそれほどいなかった時期に、例えばチャーター便ですとか、あるいはクルーズ船といったような、ちょっと特殊な状況があって、そこから下船された方たちを、主に東京圏の感染症指定医療機関に入院させたといったようなことがありました。 そういったようなときには東京圏の感染症指定医療機関のベッドがかなりきつくなったという事実はありますけれども、そういった方たちの大部分がもう今、退院されていますので、現在まさにパンクしているというようなところは、まだないんじゃないかというふうに理解しておりますけれども、ただ現実的には肺炎の方が、もしかするとこの方は新型コロナかもしれないと、どこに入院させたらいいんだろうというようなことで、現場で少し悩まれるようなケースが出てきているといったようなことは伺っております。
懸念が高まっている地域は?
朝日新聞:今は、懸念が高まっているような地域というのは、先生としてはどこかあるというふうに感じていらっしゃいますか。 川名:それはおそらく疫学的な評価によってくると思うので、今一概には言えませんけれども、多く患者さんが報告されている地域は、そういう状況が特に懸念が高まっているといっていいのかなと思います。 脇田:あと往来のほうですけど、特に専門家会議のほうで、今、大阪と兵庫の往来を止めて、どのぐらいの効果があるのかといった評価もしていないし、議論もしていないので、ちょっとここではお答えができないというふうに思います。 朝日新聞:一般的に地域と地域の往来を止めるというのは。 脇田:一般的な話でなんかありますか。 尾身:それはね。 西浦:すいません。大阪のライブハウスのクラスターを思い出していただきたいんです。ライブに参加をしたあと、たくさんの都道府県に散らばって、皆さんが発病をのちにされました。大阪府知事の英断で、ライブハウスで、ここでこのコンサートに出た人は感染したリスクがありますと、あえて固有の名前を挙げていただいたので、ああやってなんとか見つかることができましたけれども、あのように1カ所で伝播が起こっているという場合は、人が移動するということは、1カ所で伝播をした、二次感染が起こった人が一気にほかの地域で発病して、またさらなる二次感染を起こすリスクがあるということなので、伝播のリスクが高まるに従って、その移動というものがボディーブローに効いたように影響してくるというふうに分析をしています。 朝日新聞:ありがとうございました。 読売新聞:すみません、海外メディアの方もいらしています。ご質問、いかがでしょうか。