今や無線LANで1Gbpsは普通?自宅のWi-Fiルーターのベストな置き方をWi-Fiのプロに聞いてみた。日本の「パソコン業界」を支えてきた企業バッファローに潜入【後編】
インターネット回線のない生活など考えられない現代。 リモートワークやゲームのオンラインプレイ、動画のストリーミング再生をはじめ、これまで以上に重要性を増す自宅のネットワーク環境、ひいてはパソコン環境が、どのような進化を遂げてきたのか。国内のネットワーク関連機器業界において圧倒的なシェアを誇る株式会社バッファローに取材を行った。 名古屋市大須にあるバッファロー本社の裏手、商店街の一角にある「Wi-Fi Connected Home」。一見どこにでもある戸建て住宅だが、なんと中には最新のIoT家電がぎっしりとつまったバッファローの自社施設だ。 前後編の後編である本稿では、一般公開されていない「Wi-Fi Connected Home」を案内いただきながら、自宅でWi-Fiをストレスなく、最適に使うために気をつけるべきことや、「Wi-Fi 6」「Wi-Fi EasyMesh(TM)」といった最新規格がどのようなものか、バッファロー コンシューママーケティング部 BBSマーケティング課の面々に話を伺った。「自宅のWi-Fiが安定しない」「部屋によっては途切れやすい」といった悩みを抱える人は必見だ。
バッファローの秘密の施設「Wi-Fi Connected Home」
―― 「Wi-Fi Connected Home」は家一軒を使ったかなり大掛かりな施設ですが、どういった目的で作られたのでしょう? ルーターなどの機器を実際の家庭と同じ環境で利用するために作られたものです。なぜこのような施設が必要になるかというと、日本の住宅環境が大きく関係しています。 ―― どういうことですか? その特徴がこの「3階建て」という部分に非常に大きく出ているのですが、欧米って平屋が多いじゃないですか。となるとWi-Fiの電波もできるだけ水平方向に飛ばすことが求められるので、周辺機器もそれに合わせて発達していきます。対して日本は土地が狭い分、家が垂直方向に伸びていきますよね。2階建て、3階建も当たり前です。いかにして階をまたいだ状態で、Wi-Fiの電波を安定して飛ばすか、ということを研究する必要があり、この「Wi-Fi Connected Home」はその実験場として機能しています。 「Wi-Fi Connected Home」のルーターは1階に置いてある1台と2階にある1台の合計2台を、「メッシュWi-Fi」として紐付けており、家の中の家電計65個が接続されています。
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