東映・張本勲、本塁打連発のワケは……/週べ回顧1972年編
一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。
3割でも減俸に奮起か
今回は『1972年4月3日号』。定価は100円。 東映の張本勲がオープン8試合消化したところで打率は4割近く、5本塁打と好調を維持していた。ただ、 「今年は成績のことは一切口にしないつもりだ。ワシが打てばみんなついてくるはず。オーナー、監督が優勝を狙っている以上、長男坊であるワシもしっかりしないといかん。不言実行をモットーにやっていく」 と張本。若手に積極的にアドバイスを送るなど、今までとは様子が違う。 前年暮れの契約更改では打率3割(.313、26本塁打)をマークしながら、4年連続で手にしていた首位打者を逃したこともあり、プロ入り後、初の年俸ダウンを味わった。 「いくら一人で3割を打ってもいかん。とにかく野球は勝って優勝することだ。今年は後半まで一切成績のことは言わない。とにかく優勝だ」 と力説していたが、この言葉は、たぶん、契約更改で球団から言われたものだろう。 前年は、田宮謙次郎監督の確執のウワサもあったが、すっきりしたようだ。 長打連発については、 「飛ぶものは仕方がない。これを止めるわけにはいかんだろ」 と涼しい顔で話していた。あまり優等生になるより、このくらいふてぶてしいほうがハリさんらしい。 では、またあした。 <次回に続く> 写真=BBM
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