「あしたのジョー」初の英訳版、アメリカでは漫画市場が急拡大…ちばてつやさん「胸が膨らみます」
梶原一騎さん(高森朝雄、1936~87年)が原作を手がけ、ちばてつやさん(85)が作画をした漫画「あしたのジョー」が英訳され、「Ashita no Joe: Fighting for Tomorrow」として、24日(米国現地時間)から販売される。同作が英訳されるのは初めて。
「あしたのジョー」は「週刊少年マガジン」に1967年から73年まで連載された。戦後の殺伐とした時代に、ボクシングに青春をかける主人公・矢吹丈がライバルたちと命がけで戦う物語は社会現象となった。
刊行する講談社の関連会社「Kodansha USA Publishing」や講談社によると、アメリカなどで漫画市場が急拡大し、英訳への期待が高まっていることから、連載終了50年を機に刊行準備を始めたという。全8巻で、24日はまず1巻が販売される。価格は59・95米ドルで、電子書籍版が14・99米ドル。作品はフランス語やスペイン語、韓国語など7か国語に翻訳されている。
海外の漫画事情に詳しいフランス語翻訳者の原正人さん(50)は「アメリカでも今、漫画の裾野が広がっている印象で、古典も含め多様な作品が翻訳されている。『あしたのジョー』は日本の漫画史の重要作品で、英訳されるのは喜ばしいことだ」と話す。
ちばさんは「ボクシング一筋に生きた貧しい少年の生き様が、英語圏の皆さんの心にどのような感想を残すことができるのか……。少しの不安と大きな期待で胸が膨らみます。高森さんも喜んでくれていると思います」とコメントしている。