高卒と大卒では生涯賃金にどれくらい差が生まれる?
「高卒と大卒では生涯賃金って違うの?」「やっぱり大卒の方が収入は多いのかな?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか? 高卒と大卒の人では、一生涯で得られる収入が違い、大きな格差があるといわれています。 本記事では、高卒と大卒の生涯賃金にはどれくらいの差が生まれるかについて解説します。男女別・退職金・定年後の収入について細かくふれるため、それぞれの段階で得られる収入について参考にしてください。
高卒と大卒の生涯年収の差
生涯賃金とは、ひとりの労働者が生涯で得られる総収入です。では、高卒と大卒ではどれくらい生涯収入が違うのでしょうか。 ここでは高卒と大卒の生涯賃金の差について、独立行政法人労働政策研究・研修機構 「ユースフル労働統計 2020 労働統計加工指標集」を男女別に見ていきましょう。また、退職金や61歳以降の期間でも比べます。 ※本項目の生涯年収の金額には、退職金は含まれません。また、学校を卒業してからすぐに就職し、60歳までフルタイムの正社員を続けたと仮定した場合の生涯賃金です。 ■高卒・大卒男性の生涯賃金の差 高卒・大卒の男性の生涯賃金を見ていきましょう。 ●高卒:2億1370万円 ●大卒:2億7210万円 高卒は19歳から60歳まで、大卒は23歳から60歳までの期間の収入です。労働年数は、高卒のほうが4年長いにもかかわらず、約6000万円の差があることが分かりました。 ■高卒・大卒女性の生涯賃金の差 高卒・大卒の女性の生涯賃金は以下のとおりです。 ●高卒:1億5200万円 ●大卒:2億1570万円 男性同様、勤務年数は高卒のほうが4年長いにもかかわらず生涯賃金には約6000万円の違いが出ました。 高卒と大卒では、男女ともに6000万円と大きな差があります。 ■高卒と大卒の退職金の差 高卒と大卒の退職金にはどれくらいの違いがあるのか見ていきましょう。なお退職金は男女計で、2017年の数値です。卒業から60歳までフルタイムの正社員を続けた人の退職金は、高卒で1400万円、大卒では1890万円と、高卒と大卒では退職金に約500万円の差がありました。 ■61歳以降にフルタイム非正規となった場合の差 高卒と大卒では、60歳で定年後にフルタイム非正規雇用となった場合の収入にも差が生まれます。独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計 2020 労働統計加工指標集」によると、61歳以降に働いた場合の収入は、高卒では2970万円、大卒では4120万円です。男性の平均引退年齢である68.8歳までの賃金だとすれば、約8年間で1000万円以上の差が生まれる結果となりました。