先輩たちの勝負強さを信じた宇都宮ブレックスのテーブス海「空気を読んで、周りの選手がリズム良くプレーできるように」
初めての先発出場も気負いなし「結局やることは変わらない」
文=丸山素行 写真=B.LEAGUE サンロッカーズ渋谷vs宇都宮ブレックス第2戦。宇都宮は比江島慎と渡邉裕規が欠場となったことで、テーブス海が先発の大役を任された。「まず、マコさん(比江島)が出ないことに驚いて、今日言われました」と語ったように、テーブスは試合直前まで先発起用されることを知らされていなかったという。それでも、気負うことなく普段のパフォーマンスを見せた。 「ベンチスタートに慣れていたので違和感はありました。今まではベンチで相手のプレーを見てから入っていましたが、結局やることは変わらないので、最初からアグレッシブにいこうと心掛けていました」 テーブスは約32分間の出場で14得点4アシストを記録。このプレータイムと得点はともにキャリアハイの数字であり、テーブスのステップアップがあったからこそ、67-62のロースコアゲームをモノにできたと言える。実際、安齋竜三ヘッドコーチも「選手たちが一人ひとりステップアップしてくれた。海も全体的に良くて、最後まで集中力を持っていた」と高評価を下した。 ディフェンスを強みとするチーム同士の対戦とあって、得点は伸び悩んだ。さらに宇都宮がライアン・ロシター、SR渋谷がライアン・ケリーという大黒柱をともに欠いたことも点数が伸びない要因となり、SR渋谷のゾーンを攻めあぐねる時間も多く見られた。テーブスもロシターがいない影響を実感していた。 「ライアンの得点能力はすごいし、オフェンスの中心になる選手。相手がゾーンをやると、1本のドライブで攻めることが難しくなるのでボールを回してオープンを作ることになります。ライアンが真ん中に入ってプレーメークすることが多かったので、そこを周りの選手がカバーしてアグレッシブにやることになっていましたが、最初は相手に流れを持っていかれました」 それでも、テーブスは持ち味である強気なアタックでズレを作り、自らもミドルシュートを沈めてオフェンスを牽引した。「渋谷はディフェンスが激しいので、セットプレーをやろうとしても成立しない時が多いです。自分の1on1だったり、シュートで終わることを意識しました」