“毎月の支出の半分をコスメに充てる女”美容系インフルエンサーありちゃんと考える、「自分に合う美容」の見つけ方
今、若者たちは、当たり前のようにSNSとインターネットで情報を集める。欲しいものを買う時も、何が欲しいかを探す時も、息を吸うようにSNSを開いている。 「コスメ選びって、自分を知るきっかけ」と、ありちゃん 情報があふれていると言っても過言ではないSNSの中でも、特に情報が飽和状態となっているのがコスメ・美容情報だ。様々な発信者たちが、新作コスメをレビューしたり、毎日メイクのヘビロテアイテムを紹介している。人数もコンテンツも多すぎて、どのチャンネルを参考にするかを探し当てるだけでも一苦労だ。 だからこそ今、長尺の動画を検索するだけでなく、ランダム表示のショート動画を好む人も多い。ショート動画なら欲しい情報が端的にまとめられていることも多く、頭が疲れすぎない。 そういったなか、美容関係のYouTubeショート動画で、ひときわ人々の関心を集めてやまない人がいる。 「毎月の支出の半分をコスメに充てる女」というキャッチコピーが頭から離れない、その発信者の名前は”ありちゃん”。 月に数百の美容アイテムを試し、情報発信をしているありちゃん。彼女が大切にしている、美容やメイクに対するマインドを聞いてみたら、情報にあふれる今だからこそ考えたい「自分に合う美容」の知り方も見えてきた。
美容の真価は「内面を守ってくれる」こと
YouTubeなどで美容情報系動画やコスメの比較動画を発信しているありちゃん。東京生まれ東京育ち、今年27歳になるという彼女、そもそもなぜコスメにここまで傾倒するようになったのだろう。 「美容に興味を持つようになったのは、中学生くらいの頃の心情が大きかったと思います。その頃は部活動を頑張っていたんですけど、どんなに練習を頑張っても、負けじと勉強にも取り組んでみたとしても、かわいい子の方が人生得しているような、そんなふうに感じてしまっていたんです。その頃は、見た目を良くしたいという欲と、世の中の矛盾に対するネガティブな感情を持っていて。でも、歳を重ねるごとに”世の中に適応して生きやすくなりたい”という気持ちが大きくなってきて、矛盾に反発するよりも、見た目がかわいくなるような努力をしよう、と考えるようになったのが、コスメに興味を持ったきっかけでした。 外見にコンプレックスがあったのもそうだけど、一番は”頑張りよりも、外見が評価される”という世の中の矛盾に対する反発があったんだと思います。それがきっかけで、女性の社会進出に関係する仕事がしたいと考えるようになり、コスメや美容に関わる業界への就職を決意しました」 美容やメイクに興味を持つ最初のきっかけは、他人との比較だったり、自分を変えたいという思いだったり、最初はネガティブな気持ちが先行した、という人も多いのかもしれない。でも今はありちゃんのように、本当に「メイクや美容で世界が変わった」という人の話もネット上で目にする機会も多い。 もともと、インターネットでの発信活動が好きだったという彼女。大学在学中はミスコンにも挑戦し、新卒で入社を決めたのが「@cosme」というコスメ・スキンケアの大手美容プラットフォームを運営する会社だった。ありちゃんとしての発信活動は、会社員になってから副業として始めたという。 今、SNSで情報発信を行う人は芸能人や元有名人、という人も増えている。けれど、ありちゃんのような一般人から発信活動で支持を獲得していった人の方が、親近感を持てたり参考にしやすい、という意見もある。実際、彼女が普段発信するコスメは幅広く、特にプチプラアイテムの隠れ名品など「安くても可愛くなれる」アイテムの発信が特に広くバズっている印象もある。 「実際に美容やコスメに興味を追求するようになってから、美容の真のバリューが自分の中で変容していくのを感じるようになったんです。メイクをすることって外見を表面的に整えるだけではなくて、その行為が自分のエネルギーになって、お守りみたいに内面をコーティングしてくれるような効果があるんだなって。 高いデパコスを買って、クオリティの高いメイクができることももちろんうれしいんです。でも、心の満足感で言うと、お金をかけないプチプラコスメで、いいものを発見できた時の方がうれしかったりするじゃないですか。だから、プチプラコスメの発信は楽しいですね」 コスメの数も種類も飽和している今の世の中では、SNSの中でのこういった発信が、いいアイテムとの出会いのきっかけになる。美容に関する資格も保有しており、いまやオタクを通りこえ、メイクとコスメの研究者となりつつある彼女。その原動力は「美容情報で人々を元気にする」こと。コメントも感謝の声が多く、ユーザーの声が届くたびに、発信を続けるモチベーションになるという。