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「70歳以上も厚生年金加入義務」の報道を政府は否定。これはフェイクニュースなの?

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THE PAGE

 日本経済新聞が現在、70歳までとなっている厚生年金の加入義務を70歳以上に延長することについて政府が検討を開始したと報道しています。一方、政府は「検討に入った事実はない」とこれを否定しています。これはフェイクニュースなのでしょうか。  近年、マスコミの報道は「ウソばかり」という批判を耳にするケースが多くなりました。フェイクニュースという言葉もすっかり定着しているようです。しかし、何が事実なのかを決めるのは簡単なことではありません。  一部の人は政府や企業が公式に発表したものでなければ事実ではないと考えているようですが、もし公式発表だけを事実と定義してしまうと、おそらく事件に関する報道はゼロになってしまうでしょう。マスコミで報道される事件のニュースのほとんどは警察関係者が捜査中の情報をマスコミだけに流すことで成り立っています。公式発表ではないものの、事実に近いと記者が判断すれば報道が行われるわけですが、これをゼロにしてしまうと、今、話題のカルロス・ゴーン氏についても、逮捕・起訴されたという事実が存在するだけであり、裁判が始まるまでは一切情報は出てこないことになります。  今回のニュースについては、「検討に入った」という事実の有無が焦点となりますが、何をもって「検討」とするのかは解釈次第ということになるでしょう。  政府は公式に発表していませんが、政府が定年を70歳まで延長することについて検討しているのは周知の事実であり、もしそうだとすると定年後も働き続ける人がいることも確定的です。そうなってくると、年金加入だけが70歳で終了というのはバランスが悪くなりますから、70歳以降の加入義務について検討していないはずがありません。  マスコミには情報源を秘匿する義務がありますから(これを守らないと危険を冒して重要な情報を提供してくれる人がいなくなってしまいます)、今回の記事の情報源が誰なのかは分かりません。しかしながら、こうしたケースではニュースの当事者(今回の場合は政府)が情報源という場合も十分にあり得るということも理解しておく必要があるでしょう。  政府としては、70歳以降への延長を早く発表したいものの、国民の反発が大きいので、様子を見ている可能性があります。もしそうだった場合には、特定のメディアにだけこうした情報を流して、国民の間に徐々に情報を浸透させておき、スムーズに政策が実施できるようにするわけです(ちなみにこの話も政府が正式に認めたものではありませんから、正式発表のみを事実とするなら、フェイクニュースになってしまいます)。  これを情報操作だと批判する人もいると思いますが、こうした情報が一切ない状態ですべてが決まってからいきなり正式発表されるのと、かなり前の段階から情報が漏れ伝わっている状況とどちらがよいのかは一概には言えません。 (The Capital Tribune Japan)

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