【トランプの中東政策は“側近”次第?】気まぐれと武力行使嫌いはどう影響するか
2024年11月7日付Economist誌は、トランプ次期大統領の周りにはイランの崩壊を望むタカ派、イランとの戦争を望まない副大統領、レバノン系米国人等がおり、誰の言う事を聞くか分からないが、バイデン大統領は今のうちにネタニヤフ首相と対決するべきだという解説記事を掲載している。 トランプ次期大統領の中東政策がどのようになるかは誰にも分からない。それは誰が彼に囁くか次第だ。ネタニヤフ・イスラエル首相は、次期トランプ政権は彼にガザとレバノンの戦争でフリーハンドを与えてくれると考えている。 しかし、トランプ次期大統領は、選挙中、中東を平和にすると誓い、当選したら、「戦争を止める」と述べた。他方、もし、トランプ次期大統領がイランとその代理勢力と戦うイスラエルの能力を制約すれば、米国とイスラエルのタカ派を失望させるだろう。 第1期トランプ政権では、イランの核開発を制約する代わりに制裁を解除するという2015年のJCPOA(イラン核合意)から脱退した。トランプは、イランが核武装するのを認めないと述べている。 一部のイラン人は、「イランのイスラム革命体制は、トランプ次期大統領に不動産の取引を持ちかけるべきだ。新たな核合意を結ぶ決め手は、テヘランにトランプ・タワーを建てる契約を結ぶことだ」とジョークのネタにしている。 トランプ次期大統領の周りにいる人々は色々な意見を持っている。第1期政権では、イランの体制変革を主張する好戦的な民主主義防衛財団との関係が深く、その関係者の何人かは第2期政権にも加わるだろう。そして、ヴァンス次期副大統領は、米国とイスラエルの関心は時として異なり、米国の大きな関心はイランと戦争する事では無いと述べ、代わりに米国の同盟国であるアラブ諸国は、イランからの脅威に対して身を守ることにもっと力を注ぐべきだとしている。 確かにトランプ第1次政権時、トランプのサウジアラビア訪問は、アラブ諸国に歓迎された。しかし、何十億ドルもの米国製兵器を買うよう強要され、彼らは憤ったのだった。