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苦悩と煩悶、疑惑と確証、希望と絶望……野村萬斎が挑む『ハムレット』は人生そのものだ

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文春オンライン

 四月七日の緊急事態宣言で全ての劇場が閉鎖となり、やって来るのは公演中止のお知らせのみ。そんな中で、芝居を観るには、DVDやユーチューブに当たるしかなくなってしまった。  二〇〇三年に録画された野村萬斎主演の『ハムレット』を観た。箱と扉を重ねた舞台であり、豪華絢爛。ハムレットはとても若くて情熱的だ。ガートルード(篠井英介)は威厳があって、愛情豊か。クローディアス(吉田鋼太郎)やポローニアス(壤晴彦)は歯切れが良い。亡霊・役者・墓掘り(津嘉山正種)に存在感がある。劇中劇が七五調になっていて面白い。苦悩と煩悶、疑惑と確証、希望と絶望に満ちており、この『ハムレット』はまさに人生そのものだ。  劇場閉鎖は今後相当長く続くだろう。だが、人間が生きている限り、演劇が死に絶えることはない。いつか再び「今夜も劇場へ」という日々が復活するだろう。 ツイッター、 @GashuYuuki もご覧ください。 INFORMATION ホリプロ・世田谷パブリックシアター『ハムレット』 シェイクスピア作、ジョナサン・ケント演出 DVD、2003年録画 https://www.ponycanyon.co.jp/visual/PCBE000050816

結城 雅秀/週刊文春 2020年5月21日号

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