アメリカ大統領選挙コラム ~ トランプ大統領は勝利を確定させたいならウォーレン・ベイティに頼るといい
大統領は自分の意見だけで「大統領選に勝った」と勝利宣言をした。ウォーレン・ベイティが作品賞を勝手に宣言したように――。接戦が繰り広げられている現地から、US版「ELLE.com」R・エリック・トマスの冗談と皮肉たっぷりのコラムをお届け。 【写真】写真で見る、コロナ禍のアメリカ大統領選2020
トランプがこう言い出した可能性はある。「ウォーレン最高裁判事に介入し、裁定してくれるように頼んだ」と
現地時間11月5日(水)の真夜中、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州、ミシガン州など激戦区で多くの票がまだ開票されていない中、ドナルド・トランプ大統領は民主主義に飽きて選挙は終わりだと宣言した。「投票が全て終わって欲しい」。トランプ大統領は実際こう口にし、”壮大な計画”をうっかり暴露してしまった。現時点では何も起きていないにもかかわらず、最高裁に訴えると発表したのだ。私はその夕方、すでにドラマ「クイーンズ・ギャンビット」のグリーンのピル(訳注1)を飲んでいたのでその後起きたこと少しぼんやりしている。ここから先は私の夢かもしれないが、トランプがこう言い出した可能性はある。「ウォーレン最高裁判事に介入し、裁定してくれるように頼んだ」。 ここで言っているウォーレン判事はすでに亡くなった元最高裁判事アール・ウォーレンではない。おそらく2017年のアカデミー賞授賞式の作品賞のプレゼンターを務め、本当は『ムーンライト』なのに『ラ・ラ・ランド』と発表してしまった俳優のウォーレン・ベイティだ。トランプ大統領はアール・ウォーレンの意見にも耳を傾けると言ったが、後からこの共和党員の判事が「ブラウン対教育委員会裁判」で人種分離政策に反対する立場を取ったことを知り考えを変えた。
これは大統領選挙のご意見番の大部分が予想していたこと
明白な法的異議申し立てのない選挙結果を、1人の白人の男性の意見で動く最高裁判所に持ち込むと言って脅すのは前例がない。でもこれは大統領選挙のご意見番の大部分が予想していたことである。トランプがあまり知られていない、でもアナリーズ・キーティング(訳注2)とパティ・ヒューズ(訳注3)が完成させた「支離滅裂なでたらめを引き起こす」という一見したところ完璧に合法な戦略をとるだろうと多くの人が予想していた。それが功を奏するかどうかはまだ見守らなくてはならないが、一部の関係者によると今朝ウォーレン・ベイティはワシントンD.C.に向かい、一緒にプレゼンターを務めたフェイ・ダナウェイはジェットでウィスコンシン州ケノーシャに開票の状況を見にいっているという。