（写真：南日本新聞社）

　鹿児島県は１８日、８～１４日の新型コロナウイルス感染者数について、県内８９定点医療機関から２８２６人の報告があったと発表した。１定点当たりの感染者数は３１．７５人で、２０２３年５月の５類移行後で最も多かった。４週連続の増加で、１カ月で３．７倍と急拡大している。九州でも最多となり、前週（１～７日）に全国で一番多かった沖縄の２９．９２人も上回った。 新型コロナ「第11波入り」　5週間で感染者3倍　「流行意識した対策が大事」と専門家、でも「屋外では無理してマスク着けなくてもいい」　鹿児島県内

　年代別では１０～１４歳が最も多く、０～４歳、５～９歳と続く。１４保健所別でみると、西之表（５９．５０人）、伊集院（４６．２０人）、鹿児島市（３８．８３人）、指宿（３８．６７人）、川薩（３８．４３人）、出水（３５．００人）、志布志（３３．２５人）、鹿屋（３１．１３人）の８管内で３０．００人を超えた。県感染症対策課によると、県内の医療機関から病床がひっ迫しているとの報告はないという。 　感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「大きな流行になっている。医療もひっ迫してくるのでは」と危機感を示す。現在流行しているオミクロン株の一つ「ＫＰ．３」は咽頭痛や発熱、せきなどが初期症状で、変異を重ね、免疫を逃れる力が上がっているという。昨年後半からワクチンを接種する人が減り、免疫が落ちた影響も指摘する。「若い世代では２回目以降の感染が増え、高齢者では重症化し肺炎になる人も出てきた。定期的な換気や人混みでのマスク着用など予防策を取って」と呼びかける。

　２３年のピークは７月２４～３０日の週で、１定点当たり２３．５４人だった。西教授は「今年のピークはそれより先になるのでは。体調不良の時は人と会うことを避け、症状が出たら早めに医療機関を受診して。感染を広げない行動を心がけてほしい」と話した。