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国の栄養基準5年ぶり見直し 社会問題化する「フレイル」とは

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みなと新聞

 日本人が1日に必要な栄養素を定める国の「食事摂取基準」が5年ぶりに見直され、4月から新しい基準となる。注目すべきは、高齢者を対象に、筋肉の形成に必要なタンパク質の摂取目標を引き上げた点。栄養面からのアプローチにより、寝たきりや歩行困難の高齢者を減らして医療・介護費の財政支出を抑えたい考えだ。食品メーカーもこの流れを商機と捉え、タンパク質を売りにした販促活動を進めている。

 厚労省は5年に1度、その時の状況に合うように食事摂取基準を見直している。今回の改正でポイントとなったのが、高齢者の「フレイル」だ。

 同省によると、フレイルは「健常状態と要介護状態の中間段階」。加齢により筋力が衰えて運動・認知機能が低くなり、介護が必要となる一歩手前を指す。高齢化が深刻な日本では、4月から75歳以上の後期高齢者を対象に「フレイル健診」を導入するなど、フレイルが社会的に問題となっている。

 厚労省によれば、高齢者のフレイルの要因となるのはタンパク質の摂取不足が大きい。高齢者は加齢によって筋肉量が減るため、筋肉を保つには若者よりも多くのタンパク質を取る必要がある。

 新しい食事摂取基準では、高齢者のフレイルを予防する観点から、65歳以上が1日に取るべきタンパク質の目標量の下限を引き上げ。1日に取る総エネルギー量のうち、タンパク質由来のエネルギー量が占める割合の目標を13%から15%に変更した。

各社が注目新商品続々

 最近ではフレイルの予防をうたい、タンパク質に注目した商品開発や研究が進んでいる。日本水産(東京都港区)はスケソウダラのタンパク質に着目。一定量を定期的に取ることで、65歳以上の高齢者の筋力を増加させることが同社研究により示唆されたと発表した。

 日本ハム(大阪市)は肉や魚製品のパッケージにどのくらいタンパク質が取れるかを表示し、消費者の健康志向を意識したマーケティングを強化。また、東京都はファミリーマート(東京都港区)と組んで、高齢者のフレイル予防を呼び掛ける情報発信をスタート。栄養バランスを考えた弁当や惣菜を都内のコンビニエンスストアで販売している。

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