Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「三島由紀夫の姿感じて」伊原六花・菅原小春・中村ゆり・麻実れい・橋本愛が意気込み

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
ステージナタリー

9月に東京・日生劇場で実施される、三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」の合同取材会が昨日9月9日に同劇場で行われた。 【写真】三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」合同取材会より。(メディアギャラリー他5件) 「MISHIMA2020」は、4人のクリエイターがそれぞれの視点で創作した三島由紀作品をオムニバス形式で上演する企画。野上絹代が作・演出する「橋づくし」には伊原六花、井桁弘恵、野口かおる、高橋努が出演し、長久允が作・演出を手がける「『憂国』(『(死なない)憂国』)」には東出昌大と菅原小春が登場する。加藤拓也作・演出による「『真夏の死』(『summer remind』)」では中村ゆりと平原テツの二人芝居が展開し、熊林弘高が演出を務める「『班女』近代能楽集より」の出演者には、麻実れい、橋本愛、中村蒼が名を連ねた。 取材会には、伊原、菅原、中村、麻実、橋本が出席。まず伊原は、「橋づくし」の見どころを「数学的面白さ」だと述べ、「稽古を重ねるごとに、発見がたくさんあるんです」と続ける。菅原は、自身が出演する「憂国」について「原作の『憂国』を今の時代に置き換えた作品ですが、三島さんが本当に守りたかったこの国ってなんだろう、ということを全力で描いています。長久さんは『これを観たら、三島さんは怒っちゃうかもしれないね。でも、怒らせなかったら意味がないよね』とおっしゃっています」と笑みを浮かべた。 中村は「真夏の死」について「70年ほど前に書かれた作品を、26歳の加藤さんが現代の話に書き換えているのですが、すごくリアリティのある話になっていて。26歳の遊び心ある感性も、たくさん演出に反映されています」と加藤を称賛する。橋本は、自身の出演作「班女」が、4作品中唯一戯曲形式で書かれた作品であることに触れ、「(『班女』は)ただ読み上げるだけでも美しく聞こえちゃう作品。私は今回、狂女を演じますが、ただ狂っている様を見せるのではなく、さらに1つ乗り越えたものをお見せできれば」と意気込んだ。 また同じく「班女」に出演する麻実は「こういう状況下では、非常に実験的な演劇を強いられると思うんですよね。でも稽古場にいて、それが苦しくないというか、むしろ自然と感覚が研がれている状況が続いています。まだ稽古期間は2週間ほどありますが、今までとは違う三島さんの世界をお見せできるんじゃないかなと期待しています」と自信をのぞかせる。 記者から、作品を通して現代の観客に伝えたいことを尋ねられると、伊原は「『橋づくし』自体、いろんな解釈の仕方があると思いますが」と前置きしたうえで、「野上さんがお話していたのは、1950年頃に、女性が自分の意思で、自分の願いのために深夜の銀座で願掛けをするという行動のすごさ。そういった女性の強さもそうですし、また作品の結末に、野上さんがある解釈を入れていて。それがどういうラストかは言えませんが、観ていただけたら何かを感じてもらえると確信しています」と言葉に力を込める。 続く菅原は「長久さんが『憂国』に対し、サブタイトルで『死なない』って入れているんですね。それが、長久さんと私たちの挑戦状です。“生きる”ということが何か。今ここで呼吸をしていることが“生きる”なのか、抱き合うことが“生きる”なのか、踊ることが“生きる”なのか……1人ひとりの中に“生きる”ということ、“死なない”ということがあると思います。その挑戦状をお客様にはもちろん、三島さんにも叩きつけたい。そのために、しっかりと向き合って取り組んでいます」と真摯に語った。 中村は「作中では、子供を不慮の事故で亡くしてしまった夫婦が描かれますが、現代は、社会や世間から、どんどん“悲しみ”が置いてけぼりになっている気がして。そういった距離の問題を、三島さんは当時からすでに見据えられていたんだと思います。三島さんが亡くなって50年経ちますが、今こうして三島作品を上演することで、彼の作品から、私たちが生きるために必要な大きな何かを学んでいます。お客様にとっても考えるきっかけになれば」とメッセージを送る。 そして橋本は「私は、花子という1人の狂った女性の役を演じますが、演じているうち、段々彼女が狂っているとは思えなくなって。でも傍から見たら、やはり狂っている……正解が1つじゃないんです。観る方それぞれにいろんな感情が生まれると思います。芸術の面白さは、自分の感想を通して、自分の人間性を知ることができるところ。この作品で視点をぐるっと回転させ、“自分を観る”ということを体験してほしいです」と観客に呼びかけた。最後に麻実は「三島さんの作品の、美しさと毒をお客様にお見せしなくちゃいけない。この舞台を通して、三島さんの姿をなんとなく感じていただけたら」と取材会を締めくくった。 「橋づくし」と「憂国」は9月21・22日、「真夏の死」と「班女」は26・27日に上演される。チケットは9月13日に発売。なお21日と27日には、PIA LIVE STREAMで生配信が実施される。早割の視聴チケットは本日10日18:00から23日23:59まで販売され、一般の視聴チケットは13日10:00に販売開始となる。 ■ 三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」 2020年9月21日(月・祝)・22日(火・祝)、26日(土)・27日(日) 東京都 日生劇場 □ 「橋づくし」 作・演出:野上絹代 出演:伊原六花、井桁弘恵、野口かおる / 高橋努 □ 「『憂国』(『(死なない)憂国』)」 作・演出:長久允 出演:東出昌大、菅原小春 □ 「『真夏の死』(『summer remind』)」 作・演出:加藤拓也 出演:中村ゆり、平原テツ □ 「『班女』近代能楽集より」 演出:熊林弘高 出演:麻実れい、橋本愛、中村蒼

【関連記事】