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「マツダ3」のファストバックに向く人、セダンに向く人の見分け方

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&GP

2019年5月の国内販売スタートから早1年。マツダの“新世代商品群”第1弾となった「マツダ3」の姿を街中で見掛ける機会が増えてきました。 【詳細画像はこちら(全48枚)】 そんな同車には、個性的なルックスの5ドアハッチバックと、オーソドックスなセダンという、ふたつの個性が存在します。そこで今回は、モータージャーナリストの岡崎五朗さんに、それぞれの美点や機能性などをチェックしてもらいつつ、両車がどんな志向の人に向くのか検証してもらいました。

セダンもキレキレのデザインの方が良かった!?

マツダ3には“ファストバック”と呼ばれるハッチバックと、セダンの2タイプがある。どちらもSUVに押され気味ではあるが、自動車メーカーにとっては依然として重要なジャンルだ。事実、フォルクスワーゲンのベストセラーカーは「ゴルフ」だし、販売台数首位の座こそ「RAV4」に譲ったものの「カローラ」もトヨタの主力車種であり続けている。実際、北米に行けばセダンの多さに、欧州に行けばハッチバックの多さに驚かされる。SUVだけではすくい上げられないユーザーニーズは今なお確実に存在するのだ。 では、ファストバックが応えるニーズと、セダンが応えるニーズはどう違うのだろうか? 一般論でいえば、選択の分かれ道になるのは機能面だ。詳しくは後述するが、ハッチバックにはハッチバックの得意とする領域があり、セダンにも同じことがいえる。ユーザーはそれぞれの機能面を冷静に分析し、自分にはどちらが合うかを決めている。しかし、マツダ3にそのセオリーは必ずしも当てはまらず、機能よりもむしろデザイン面のウエイトが圧倒的に重いのが特徴だ。例えばカローラは、異なるボディタイプを同じデザインテイストで用意している。それに対し、マツダ3はファストバックとセダンがまるで異なる車種であるかのように思えるほどデザインテイストを明確に変えてきている。 「セダンは誰が見ても美しいと思う正統派美人、ファストバックは好みが分かれるけれど一部の人から強い支持を得る個性派美人を狙った」というのが開発者の弁。確かにその通りで、どこから眺めても違和感のない端正な仕上がりのセダンに対し、ファストバックは太いリアピラーに視点が釘づけになる。人は本能的に違和感のある部分に注目してしまうものだが、そんな特性を逆手にとり、グッと注意を引きつけるのが狙いだろう。やり過ぎると違和感=カッコ悪いで終わってしまうハイリスクなチャレンジだが、マツダのデザイナーは違和感を巧みにコントロールすることで、常識外れに太いリアピラーを個性へと昇華させることに成功した。 むろんこれは僕の印象であって、リアピラー付近の造形を受け入れがたい違和感と感じる人もいるだろう。しかしそれでいい。なぜなら、全員から好かれる必要はないというのがファストバックの狙いだからだ。 一方のセダンは、どこかで視点が止まることはない。ルーフラインが短めのノッチへと自然に収束していく流れも、上半身と下半身をつなぐリアピラーの処理も、きわめて繊細かつ素直な仕上げ。どこにも突っ込みどころのない、クセのない美しさだ。セダンのデザインを見て「嫌い」という人はおそらくほとんどいないだろう。しかしその分、他のクルマではなく「マツダ3でなければダメなんだ」と思わせる力は弱い。 さて、貴方ならどちらのマツダ3を選ぶか? ここで日本でのボディタイプ別販売比率を紹介しよう。ファストバック77%、セダン23%。嫌われるリスクを負いつつ好かれることを追求したファストバックが、嫌われないことを重視したファストバックよりも圧倒的に高い人気を獲得しているというのは興味深いデータだ。ファストバックのデザインが極めて優秀であることの証明でもあるし、マツダというブランドに対して多くの人が期待している方向性を示すデータとも解釈できるだろう。そう考えると、セダンにももっとキレキレのデザインを与えた方が良かったのかもしれない。

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