「和解」は本当に不可能か? 英ウィリアム皇太子とヘンリー王子の「兄弟愛」の瞬間を捉えた動画に注目が集まる
<注目を集めたヘンリー王子の9月末の「イギリス帰国」は、父チャールズ国王とも兄ウィリアム皇太子とも面会することなく終わったが......>
英ヘンリー王子は9月末に慈善団体のイベント出席のため単身でイギリスに帰国したが、兄ウィリアム皇太子や父チャールズ国王と面会することはなかった。いまだ王室メンバーとの関係修復の糸口が見えない状況だが、そうしたなかでTikTokではヘンリーとウィリアムが過去に見せた「兄弟愛」の瞬間を捉えた動画が大きな注目を集めている。 【動画】「和解」は本当に不可能か? 英ウィリアム皇太子とヘンリー王子の「兄弟愛」の瞬間を捉えた動画に注目が集まる 不仲とされる2人の関係はもう何年も英王室をめぐる議論の中心となっているが、いまだに和解を示す具体的な兆候はない。ヘンリーは9月末にチャリティ組織「ウェルチャイルド」の授賞式に出席するためにイギリスを訪れたが、その際にウィリアムと会うかどうかに注目が集まっていた。 ヘンリーの訪英に先立ってTikTok上には兄弟仲が今よりも良かった頃に撮影された動画が投稿され、これまでに1万7000回以上の「いいね」を獲得し8万5000回以上視聴されている。 動画の中には、2022年9月19日に行われた故エリザベス女王の葬儀で、英空軍の制服を身につけたウィリアムがモーニングスーツ姿のヘンリーと並んで歩く様子を捉えたものもあった。ほかには2010年6月15日にボツワナの首都ハボローネにあるモコロディ教育センターを訪れた2人が、アフリカニシキヘビと一緒にポーズを取っている様子を捉えたものもある。 ■兄ウィリアムの結婚式での微笑ましい一幕も 2012年にウィリアムとヘンリーが英空軍ショーベリー基地の軍用ヘリ訓練コースにいる様子を撮影した映像や、2013年に2人がサイレンセスター・パークのポロクラブで開かれたポロの大会で揃って拍手をしている姿もある。さらに2011年にウィリアムがキャサリン妃と結婚する際、教会の祭壇前でヘンリーがウィリアムの横に立っている瞬間や、故ダイアナ元妃の棺の後ろを2人が並んで歩いている瞬間を捉えたものもある。 動画の最後はヘンリーが英ITVニュースのプレゼンターであるトム・ブラッドビーとのインタビュー映像の一部で終わっている。この中でヘンリーは、2022年9月に故エリザベス女王の棺の後ろを歩いた時のことを振り返った。 「(母である故ダイアナ元妃が死去した際にも歩いた道だから)お互いに『少なくとも道は分かるね』と冗談を言い合った」とヘンリーは述べ、さらにこう続けた。「(当時と)状況はよく似ていたが、唯一違うのは感情のレベルだった。祖母は人生をまっとうしたから、彼女が成し遂げたことを祝福し、尊敬し、称賛する気持ちが強かったと思う。それに対して母は、あまりにも若くして亡くなってしまった」 ■「いつか平和を見出すことができれば」とヘンリー 9月15日にはチャールズ国王とウィリアムが、それぞれソーシャルメディアを通じてヘンリーの40歳の誕生日を祝うメッセージを発信し、公にはこれが和解の兆しになるのではないかと解釈された。だが、本当に兄弟の深い溝を埋めるさらなる試みにつながっていくかどうかは、今後を見守るしかないだろう。 ヘンリーは2023年1月、著書のプロモーションを行う中で米CBSの番組「60ミニッツ」に出演。アンダーソン・クーパーとのインタビューの中で「今はウィリアムと話をすることはあるのか。テキストメッセージを送ることはあるのか」という質問に対して、「今はない」と答えた。 「それでもいつか、平和を見出すことができることを願っている」とヘンリーは続け、ウィリアムとは「しばらく連絡を取っていない」と認めた。
ジャック・ロイストン