40年以上頑張ったんだからいいよね?貯蓄7,000万円の元会社員、ビジネスクラスで「ご褒美旅行」を楽しみ人生を謳歌していたが…6年後、ジリ貧老後へ「あんなにお金があったのに」
「老後にいくら必要か」という問いに対して「これぐらいあると安心だよね」といった話をすることもあるでしょう。「老後2,000万円問題」が広まって以降は、2,000万円を軸に考えている人もいるかもしれません。しかし、実際には多額の資金を持っていたとしても老後が安泰とは限らないようです。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
老後は年金だけでは足りない?その根拠は
「老後2,000万円問題」の話題を発端に、年金だけでは老後は暮らせないという話が一気に広まりました。すでに知っている方も多いかもしれませんが、総務省が2016年に調査をした家計調査報告書に基づいて計算されています。 公的年金収入と老後にかかる生活費を差し引きすると、夫65歳以上・妻60歳以上の無職世帯では毎月5万5,000円弱の赤字になり、それが老後30年間にわたって続くと考えた場合、合計で約2,000万円の赤字になるという計算です。 ただ、年金や家計の事情は常に変化しています。2023年版の家計調査報告書ではどうなっているのか見てみましょう。 【夫婦ともに65歳以上の無職世帯の収入と支出】 〈収入〉 ・年金などの給付:21万8,441円 ・その他:2万6,139円 ・収入合計:24万4,580円 (税金や社会保険料等を差し引いた可処分所得:21万3,042円) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 〈支出〉 ・税・社会保険料等:3万1,538円 ・食料費:7万2,930円 ・交通・通信費:3万729円 ・光熱・水道費:2万2,422円 ・教育娯楽費:2万4,690円 ・保健医療費:1万6,879円 ・住居費:1万6,827円 ・家具・家事用品費:1万477円 ・被服及び履物費:5,159円 ・その他…5万839円 ・支出合計…25万959円 出典:総務省『家計調査報告書(2023年)』 上記は夫婦ともに65歳以上という前提です。妻だけを60歳以上で見るよりも、こちらのほうが現実に即しているでしょう。 可処分所得(実質的に使える収入)は21万3,042円、支出は25万959円で、1カ月で約3万8,000円不足するという結果です。もし30年生きるとすると、1,368万円ほどが足りないという計算になります。 これを見ると、2,000万円ほどの金額ではないということがわかります。ただ、もちろんこれは「平均値」での話です。実際には貯金や老後働き続けることによって得られる収入などによって大きく変わることは、言うまでもありません。
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