年金月15万円・82歳のおひとり様女性「終の棲家」として「老人ホーム」に入居も、「わずか6ヵ月」で退去勧告の大誤算
終の棲家と思っていたが…強制退去のきっかけは「誤嚥性肺炎」
終の棲家として老人ホームへの入居。あとは何も心配はいらない……誰もがそう思うでしょう。しかし入居している老人ホームから退去勧告を受ける場合も珍しいことではありません。 岡田さん、入居後、4ヵ月経ったころに誤嚥性肺炎で入院。入院中に嚥下機能が落ちてしまい、定期的にたんの吸引が必要に。2ヵ月後に退院し老人ホームに戻ると、今度はホームからの退去を勧められたというのです。 ――うちでは夜間のたんの吸引は対応できないんです たん吸引は医療行為。看護師や研修を受けた一部の介護職員でなければ対応できません。岡田さんが入居した施設では、ここまでの医療体制は整っていなかったのです。 それであれば、対応してくれるホームに転居すればよいだけ。誰もがそう考えますが、80代の高齢者にとって、住まいを探すこと、そして実際に住まいを移ることは、想像以上に大変なことです。ただ岡田さん、そうはいっていられません。すでに自宅は売却し、戻る家もないので、猶予期間中に新しいホームを探さないといけなくなりました。 老人ホームから強制退去となるのは大きく ・長期間の入院となった場合 ・介護度や医療依存度が上がった場合 ・ほか入居者やスタッフへの迷惑行為があった場合 ・費用の対応があった場合 の4つ。今回、岡田さんは施設で対応が難しい医療行為が必要になったため、やむなく退去勧告を受けることになりました。退去勧告を受けたからといって、すぐに出ていかないといけないかといえばそんなことはなく、たいてい90日程度の猶予期間があります。その間にケアマネージャーなど相談し、転居先を探します。 定期的にたん吸引が必要な岡田さんの場合、看護師24時間常駐が新しい施設を探す際のひとつの目安になります。 ――終の棲家を見つけたと思ったんですが…… こんなことなら、最初から看護師24時間常駐を条件に探せばよかった……そう思っても仕方がありません。今度こそ最期までいられる施設を見つけると、岡田さん、躍起になっています。 [参考資料] スクールバス空間設計株式会社『「終活と暮らしの変化」に関する調査』