「ミユさんよりも…」ブレーク誓う20歳 SAGA久光スプリングスの183センチアタッカーが見せた決意【SVリーグ女子】
少し間を置いて切り出した決意
10月に始まるバレーボールの新リーグ「SVリーグ」の女子で初代女王を目指すSAGA久光スプリングスの高卒2年目アタッカー、北窓絢音(きたまど・あやね)がシーズン開幕を前にブレークを誓った。 ■ダンスを披露する北窓絢音はこちら(クラブ公式Xより)【動画】 183センチの長身に加え、非凡な守備力を持っており、サーブレシーブをする「パスヒッター」として将来を嘱望される20歳。今夏磨いてきたオフェンスで羽ばたく。SAGA久光は13日に久留米アリーナ(福岡県久留米市)でKUROBEアクアフェアリーズと対戦する。 「攻撃面を強化してやってきたので、誰よりも…」と少し間を置いて、北窓は言い切った。「ミユさんよりも(点を)取れるようなスパイカーを目指して頑張っているので、そこを見てほしいです」。次世代のSAGA久光を担うホープの口から長岡望悠(33)の名前が飛び出した。長岡は攻撃専門のオポジット。昨季のレギュラーラウンドでチーム2位、リーグ10位の計330得点(アタック311、ブロック16、サーブ3)を記録した「大黒柱」を意識した発言は、今年に懸ける決意の表れでもある。 32セットでコートに立った入団1年目の昨季レギュラーラウンドは、アタック8得点(29打数)とブロック1得点にとどまった。経験の浅さは否めなくても、潜在能力の高さは折り紙付き。キャプテンでセッターの栄絵里香(33)は「特に期待している選手」として北窓を挙げた。「ミドルブロッカーは平山(詩嫣)と荒木(彩花)がしっかりして軸になっている。北窓には成功も失敗もたくさん経験して、アウトサイド(ヒッター)として、これからのSAGA久光を背負ってほしい」とエールを送った。
成長を感じさせた8月の親善試合
成長をアピールしたのが8月にサロンパスアリーナで行われた中国のクラブチームとの親善試合だった。アタッカー陣が相手の「高さ」に苦しみ、北窓自身もスパイクをブロックされながら、下を向かなかった。被ブロックの直後、けれん味のないスイングからコート奥へ突き刺した。他にもブロックアウトを決めたり、レフト側から切り込んでからストレートに打ち抜いたりするなど、日々の取り組みの成果を示した。 9月29日に佐賀市内であった約400人のファンとの交流イベントでは幅広い年齢層からひときわ熱く、温かい声援を送られた。「こうして直接、応援の声をいただき、胸がいっぱいになりました」。北窓が掲げた今季のテーマは「調子が悪くても自分の力で立て直せるように」との意を込めた「自立」―。得点への意欲を高め、理想の姿を思い描く背番号「17」が誓いを果たしたとき、大きな柱が誕生する。(西口憲一) 【#OTTOバレー情報】
西日本新聞社