【山口県】40年続けた管理、突然中止通告 体協が市との交渉経緯説明
周南緑地PFIでミニコン 周南市議会の対応に注目?
「コンサルタントが提案した“スキーム”(計画)から脱却できなかったのではないか」。山口県周南市の周南市体育協会の黒神直大会長は徳山市時代から40年以上にわたる同協会による周南緑地の体育施設の運営・管理を一方的に中止させる結果となっているPFI(公民連携)事業が導入された経緯について説明した。 周南市議会(青木義雄議長)が市体育協会の役員の出席を求めて、開いた委員会懇談会(ミニコン)で周南緑地体育施設等整備に関する調査特別委員会(田村勇一委員長、13人)の委員が質問した。運営・管理中止は突然の通告だったことや、大規模な大会を数多く誘致できる周南市ならではの仕組みや職員の仕事を守るための懸命な交渉経過が明らかにされた。 この事業では、市が全国から募集、選定した民間事業者が屋内プールの建設や陸上競技場、サッカー場の改修などと2023年度から19年間の施設の運営管理を引き受ける。総額では100億円近い事業費が見込まれる一方、市は国からの補助金19億円を期待している。 この日の同協会の説明によると、それまで体協も計画に参加できる前提で話し合いを続けてきたが、中止の通告は昨年6月10日。文化スポーツ課長が同協会の事務局次長を呼び出して突然「管理打ち切りを言及した」という。 その後、黒神会長ら役員が藤井律子市長、佐田邦男副市長らを含めて市側と交渉を重ねた。しかし市側が持ち出したPFIの形が変わることはなく、同協会が管理にこだわれば大規模な改修の機会がなくなると迫る「最後通告」を受け入れざるを得なかったという。理由は結局わからないままだった。 委員は12人が出席した。以前の市議会の委員会で、体育協会がどうなるのかを繰り返し質問したが、執行部の答弁は横浜市や神奈川県の体育協会が運営に参画している事例を紹介するなどし、PFIで施設を管理する事業者から体育協会がはずれることへの言及がなかったと説明した。