【自民党総裁選】焦る小泉陣営「このままではまずい」 1回目投票から議員票固めへシフト
自民党総裁選で有力視されている小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)が中盤を迎えて伸び悩んでいる。党員・党友を対象にした報道機関の調査で高市早苗経済安全保障相に逆転され3位に転落。小泉氏の陣営は決選投票に進める2位以内に確実に入るため、1回目の投票から国会議員票固めにシフトするなど戦略の見直しを迫られている。 「このままではまずい。1回目から頼む」。小泉氏陣営の中堅議員は16日、他候補の支持を表明している議員にこう頼み込んだ。 これまでは、決選投票に残るのは困難と予想される候補の支持を明かしている議員へは「2回目の投票では小泉と書いて」と促してきた。しかし、今週に入ってからは「最初から小泉と書いてほしい」と要請内容を切り替えた。 投票権を持つ全国の党員・党友への調査結果が同日付の読売新聞に掲載され、トップの石破茂元幹事長に次いで高市氏が2位に食い込み、小泉氏が追い抜かれたことがきっかけとなった。 今回の総裁選は候補者乱立で議員票が割れ、党員・党友票を多く獲得できた候補が上位に入るとみられる。各陣営は、党員全体の4割を占める業界団体に属する「職域党員」を軸に党員票獲得にしのぎを削る。 小泉氏は討論会での発言ぶりに不安が指摘されることもあり、陣営は党員らへの「電話作戦」や職域支部を訪れて説明するなど、党員票の上積みに懸命だ。陣営幹部は、党本部が禁止する前に高市氏が自らの政策パンフレットを全国の党員らに郵送したことを問題視し「小泉陣営の議員であっても高市陣営だと勘違いしている党員が多数いる」と批判。「結果として高市氏が党員票を優位に進めている」と焦りをにじませる。
神奈川新聞社