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「息が出来ない」米国を嘲笑する中国、ロシア、イラン政府

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Forbes JAPAN

米国のトランプ政権は、黒人男性のジョージ・フロイドの死を受けて発生した抗議デモの“弾圧”に乗り出した。中国やロシア、そしてイランなど、米国が独裁的だと非難してきた国々は、アメリカの措置が欺瞞に満ちていると非難している。 中国の政府系メディアは、31年前の天安門事件や香港の抗議デモへの中国政府への対応を批判する米国が、警察の力で抗議活動を抑え込む様子を揶揄している。 政府系メディアの人民日報は米国の掲示板Redditに投稿された「私には夢がある。しかし、息が出来ない(I have a dream, but I can’t breathe)」と題された風刺画を、ツイッターに投稿した。 「今回の米国での騒ぎが発生したタイミングは、香港のデモ対応に苦慮する中国政府にとって、願ってもないものだった」と、米国のシンクタンクStratforのアナリストのロジャー・ベイカーはフォーブスの取材に話した。 「中国政府は米国の対応を引き合いに出し、国民に次のように呼びかけるだろう。香港の件に関し、政府は少なくとも秩序のある対応をしている。米国の言うことになど、耳を貸す必要はない」 ロシア外務省も6月4日、これまでロシアを批判し続けてきた米国政府が、自国の人々の権利を抑圧していると非難した。外務省の美人報道官として知られるマリヤ・ザハロワは、ワシントンの抗議活動への対応にふれつつ、「米国には他の国を責める資格は無い」と断言した。 一方で、イランの外務大臣のモハンマド・ジャヴァード・ザリーフも、米国政府の抗議活動に対する野蛮な対応を糾弾し、欧州諸国が沈黙を守っていることを非難した。彼はSNSの投稿で、米国のマイク・ポンペオ国務長官が以前にイラン政府のデモ対応を批判していたことを持ち出して、今回の米国の対応を非難した。 「中国はこの機会を利用して、国際秩序のスタンダードを書き換えようとしている」とStratforのベイカーは指摘した。「西側諸国は、彼らが言うほど完璧ではない。中国はその事実を指摘することで、自己の正当性を主張しようとしている」 ロシアも自国のプロパガンダに利用 サンクトペテルブルクのヨーロッパ大学で米中関係を専門とするIvan Kurillaも、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の取材に同様の見解を述べた。「ロシアの政府関係者は、米国の混乱ぶりを喜んでいる。彼らはこの機会を自国のプロパガンダに利用しようとしている」 米国はこれまで、ロシアや中国、イラン政府らが、国内の抗議活動を力で抑え込んでいると非難してきた。しかし、トランプ大統領は抗議デモの高まりを前に、国民に団結を呼びかけるのではなく、軍や警察を投入し、力で抑え込もうとしている。 トランプは6月1日、ホワイトハウス近くの教会前で聖書を掲げて記念撮影を行ったが、その際にデモ参加者を排除するために、催涙ガスなどを用いたことで強い非難を浴びた。 彼はさらに、今から100年以上も前に制定された反乱法(Insurrection Act)を発動し、軍の投入を含むあらゆる手段で、暴動や略奪を取り締まると宣言した。トランプは抗議活動家たちを「悪党」や「テロリスト」と呼んでいる。

Sergei Klebnikov

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