エイジェック硬式野球部・小林雅英コーチが退任「改めて『野球』という競技を様々な角度から考えることができた」
9月30日、社会人野球エイジェックの小林雅英投手総合コーチの退任が発表された。 小林コーチは現役時代、通算228セーブを記録するなど、主に千葉ロッテマリーンズの守護神として長年活躍し、『幕張の防波堤』の異名をとった。2005年には最多セーブに輝き、ロッテの日本一に大きく貢献。2008年からはメジャーリーグ・インディアンスにFA移籍し、2年間で67試合に登板するなど世界を経験。2010年にNPBに復帰すると、巨人、オリックスでプレーし、2011年限りで現役引退。引退後はオリックス、ロッテで投手コーチを歴任してきた。 【写真】ドラフト候補にも名前が挙がるエイジェック・河北将太投手 2021年3月からはエイジェック野球部・投手総合コーチに就任。プロ入り前は社会人野球の古豪・東京ガスでプレーしており、20数年ぶりの社会人野球界に復帰となった。小林コーチ就任後、エイジェックは、2021年11月の都市対抗野球に初出場を果たすと、2023年には日本選手権にも初出場。さらに今年、2度目の都市対抗野球大会出場で“都市対抗初勝利”。抱負な経験を元にした熱い指導により、エイジェック野球部の躍進を支えてきた。 エイジェック野球部・難波貴司監督は「3年半お疲れ様でした。創部間もない若いチームが、都市対抗野球大会に2回、日本選手権に出場できたのは、投手陣の踏ん張りがあったこそでした。小林コーチの厳しく、愛情ある指導のおかげだと思っております。次のステージでも『小林雅英らしく』頑張ってください。本当にありがとうございました」と小林コーチへの感謝を口にした。 小林コーチの指導により、大きく成長を遂げた若手投手も数多くいる。横浜隼人高時代から注目されながら、関東学院大時代には公式戦2試合のみの登板に終わった左腕・林明良。さらに、浦和学院高、東洋大と名門を渡り歩いてきた河北将太など、若い速球派投手をドラフト候補にまで育て上げた。 2024年の都市対抗野球大会で先発登板を果たすまで成長した河北は、以下のようにコメント。 「小林コーチに指導していただいた2年間で、僕自身考え方やプロ野球の一流選手の野球観に触れることが出来て、成長することが出来ました。また、都市対抗、日本選手権と社会人野球の2大大会に出場出来たのも、小林コーチの指導があったからこそだと思います。小林コーチが退任され寂しさもありますが、指導していただいたことを投手陣一同が活かし、来年の都市対抗・日本選手権で良い報告が出来るよう頑張っていきます。2年間お世話になりました。ありがとうございました」 小林氏は退任にあたり「この度、エイジェック硬式野球部を退部させていただくことになりました。2021年から4シーズンで投手コーチを務め、久しぶりに社会人野球に携わり、改めて『野球』という競技を様々な角度から考えることができました。また、エイジェック硬式野球部の都市対抗、日本選手権への初出場という大きな成果も上げることができました。来シーズンからは、チームに期待しながら応援し、野球部の戦いを楽しみにしたいと思います。4シーズンありがとうございました!」と充実感を滲ませた。 【プロフィール】 小林雅英(こばやし・まさひで) 1974年5月24日生まれ/山梨県大月市出身都留高(1989-1992)-日本体育大(1993-1996)-東京ガス(1997-1998)-ロッテ (1999-2007)-クリーブランド・インディアンス(2008-2009)-巨人(2010)-オリックス (2011) 現役引退 指導歴:オリックス二軍投手コーチ等(2012-2014)-ロッテ一軍投手コーチ等(2015-2018)-日本女子プロ野球リーグ投手総合コーチ(2019)-エイジェック投手総合コーチ(2021-2024)
アスリートマガジン編集部