「とらやさんがあるから引っ越した」、料理研究家・髙山かづえさんが世田谷の牛肉店を愛する理由。
髙山さんが地元商店街の個人店を愛する理由。
とらや牛肉店
店主の佐藤さんは、学生時代に西荻窪の本店でアルバイトをしたのをきっかけにこの世界に入る。20代の頃におかみさんから聞いた〝お肉をお客さまに渡す時は、娘をお嫁に出す気持ちで〞の言葉は今も忘れない。「佐藤さんの誠実な仕事ぶりに触れると心が浄化されます」(髙山さん)。最高級の神戸牛をはじめ、豚、鶏ともに銘柄肉を扱う名店。 ●東京都世田谷区砧8・4・18 ホワイトハウスビル1F TEL.10時~19時30分 月・火曜休
春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)
ソムリエの資格を持つ髙山さんは好きなブルゴーニュや日本のワインはネットで買うことも多い。が、情報が乏しいナチュールはなかなか選び切れなかった。「そんな時、大元の古い造り手から押さえてみるといい、と教えられました」(髙山さん)。揃うワインは180種、600本。3,000~4,000円が最多価格帯、というのもうれしい。
●東京都世田谷区祖師谷3・34・9 OKビル B1F 営業時間:18時~23時(ワインショップは15時~) 火曜休
魚武(うおたけ)
旬の魚がとにかく豊富。例えばある日の開店前に並んでいた刺身が、アイナメ、ヒラメ、ヤリイカ、スズキ、ヒラメ、オコゼ……これでまだ出切っていない。「魚の扱いも勉強になります」(髙山さん)。下ろした身は必ずキッチンペーパーで挟む。これはすぐに真似をした。魚は丸で買えばアラが出る。「それがまた良い料理に。私には宝物です」
●東京都世田谷区祖師谷1・37・9 アピア均整院 営業時間:11時~19時 日・月曜休
L'atelierdePlaisir(ラトリエ ドゥ プレジール)
15年くらい前からこの店にはよく来ていた。「小麦粉の種類が多くて、自家培養をした発酵種を使って作る美味しいパン屋さん」(髙山さん)。ミッシュという田舎パンが大好物で、モチモチとした食感や酸味はこのパンならでは。「時に桜エビや鰹節といった意外な食材を練り込んだパンも店頭に出ていて、自由な発想に学ぶことが多い」