地元の味覚が楽しめる“役所メシの旅” ── 台東区役所「ぱんだかれー」
「甘さと辛さがほどよくマッチしています。コクがありますが、食べ終わった後、胃にもたれずさっぱり感があります。自分でも結構好きですね」と飯田さん。 このカレー、実は人気が伴わず、2015年末で提供を休止していた。6月12日になって、上野動物園でジャイアントパンダの赤ちゃんが生まれて話題性が高まったため、10月2日から提供の再開を決めたという。以前の「ぱんだかれー」は中国テイストを追及しており、ルーに豆板醤やオイスターソースが入っていたため少々辛い味付けだった。 再開にあたり、飯田さんは他の店員と一緒にどのようなカレーにするのか検討した。昔のレシピは、子ども向きではない。子どもが注文するケースも多いと思われるため、大人でも子どもでも食べやすいように、専用のルーを以前よりも甘めにしようと考えた。そこで、辛い味付けをやめ、他のカレーよりも多い量のタマネギを炒めて甘みを出したのち、ルーに加えたという。
パンダの顔を描くなど提供時の作業が多く、10食限定にしているが、連日完売。注文する人は、復活のうわさを聞いてかけつけた区役所職員以外の人が比較的多いという。子どもの注文も多いようで、飯田さんは「この間も小学校5年生くらいの児童5、6人が『ぱんだかれー』を食べて、『おいしかった』『食べやすかった』と言ってくれました」と笑顔をみせる。 「チカショクさくら」は平日午前11時~午後2時50分営業で、定休日は土日祝日。台東区役所へは、東京メトロ日比谷線上野駅および同銀座線稲荷町駅からいずれも徒歩5分、JR上野駅からは徒歩8分。都バスでは「下谷神社前」から徒歩2分、台東区循環バス・めぐりんなら「台東区役所」バス停が利用できる。 (取材・文:具志堅浩二)