「社会人としての一歩」 愛子さま、12月1日に23歳の誕生日
天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが12月1日、23歳の誕生日を迎えられる。「(皇族の)公務以外でも、さまざまな困難を抱えている方の力になれる仕事ができれば」との思いから、留学や大学院進学ではなく、就職を選んだ。公務と仕事の両立生活が始まったこの1年を振り返る。 【愛子さまの1年を写真で】初めての園遊会に参加される愛子さま ◇社会人デビュー、辞令受け取り 学習院大学文学部を卒業した3月、卒業や就職の報告のため、三重県の伊勢神宮と奈良県の神武天皇の陵を参拝した。大学では日本の古典文学に親しみ、卒業論文は中世を代表する女流歌人・式子(しょくし)内親王とその和歌を研究した。 4月1日、就職先の日本赤十字社(東京都港区)に初出勤。青少年・ボランティア課の辞令を受け取ると、本社玄関前で報道陣の取材に応じ、「社会人としての一歩を踏み出したのだと身の引き締まる思いがいたしました」と意気込みを語った。嘱託職員として、情報誌の編集や研修会の運営業務に携わっている。 ◇初の単独公務に人だかり 21年に成人して以降、新年祝賀など皇居・宮殿での行事に臨んだり、両陛下の公務に同行したりしてきた。今年2月には宮殿で両陛下が海外要人をもてなす食事会に初めて出席。ケニアの大統領夫妻に「ごきげんいかがですか」と現地のスワヒリ語であいさつし、大統領の隣に座り、英語で談笑した。 卒業するまでは学業が優先だったが、4月以降は仕事の日程を調整しつつ、皇族としての公務が増えていった。 4月23日、両陛下主催の園遊会に初めて参加。招かれた各界功労者から相次いで就職を祝う声がかかり、「慣れないことばかりで」「ありがとうございます」などとにこやかに応じていた。 初の単独公務は5月の国立公文書館(東京都千代田区)訪問だった。特別展「夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み!―」を熱心に鑑賞。平安文学の知識を生かし、職員に質問を重ねた。 10月には初の地方公務として国民スポーツ大会の競技観戦のため佐賀県へ。300年の歴史を持つ「名尾手すき和紙」の工房にも足を運んだ。21年の豪雨被害から再建された工房で、真剣な表情で和紙の手すきに挑戦し、「和紙の新しい可能性を感じました」と笑顔を見せた。訪問先や沿道には、愛子さまを一目見ようと、多くの人々が詰めかけた。 ◇両陛下とタケノコ掘りも 成年皇族として、新社会人として、さまざまな「デビュー」が続いた1年だった。活動的な日々の中、宮内庁によると、静養先では両陛下とタケノコ掘りを楽しむなどリラックスできるひとときを過ごしたという。ご一家そろって都内のコンサート鑑賞へ出向く日もあり、これまでと変わらない仲の良いご一家の姿もあった。【山田奈緒】