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Charaの愛の世界に引きづり込まれる名盤『Junior Sweet』

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OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回はオリコンチャート1位を獲得し、ミリオンセラーを記録したCharaの『Junior Sweet』を紹介したい。 ※本稿は2016年に掲載

自由奔放で甘美なヴォーカリスト

幼少期からピアノを習い、小学生の頃から作曲をしていたというCharaは1991年の9月にシングル「Heaven」でメジャーデビューを果たし、1994年にリリースされた「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」がTVのCMに起用され、ヒットを記録。その翌年には岩井俊二監督の『PiCNiC』で女優としても映画デビューし、『スワロウテイル』では娼婦のシンガー役(YEN TOWN BANDのヴォーカリスト)を演じ、鮮烈な印象を残した。ちなみに小林武史がプロデュースを手掛け、キーボーディストとしても参加のYEN TOWN BANDによる映画の主題歌「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」はオリコンチャートの1位を獲得した。 Charaはデビュー当時からその存在とヴォーカル、歌詞は磁石のごとく多くのリスナーを惹き付けてきた。キュートでガーリーでいかにも自由奔放そうなルックスとパフォーマンス。色とりどりのスイーツみたいに甘くて、セクシーな声。ウィスパーボイスとソウルフルな歌い方を使い分けるスタイル。曲が街中で流れてきただけで、自分だと認識される存在になることは多くのヴォーカリストが今も昔も目標とするところだと思うが、彼女は最初っからそういう存在だった。その声、歌い方自体が「ねぇ、あたしの歌、聴いてよ」と訴えかけているかのようにフックがある。だから、Charaの歌は通り過ぎていくBGMにはならない。「ん?」と思わず耳を傾けてしまう歌なのである。 また、その声に似合いすぎる歌詞も魅力である。《あたしなんで抱きしめたいんだろう?》もそうだが、Charaの歌詞には疑問符が多く登場する。《何のために たちどまるの?》(「kiss」)、《夢中で転がって彼に聴こえた?》(「恋文」)、《どこに行ったんだろう...?あのバカは!》(「どこに行ったんだろう?あのバカは」)など挙げていったらキリがないが、この問いかけにキュンとした人はたぶん数知れず。片思いしている人、幸せの絶頂にいる人、相手の心の距離に途方に暮れている人、失恋した人、いつの時代もCharaのラブソングは心に刺さった刺みたいに聴き手を揺らせてきた。もしかしたら、彼女の歌は本当に誰かを愛しているのか、恋しているのかが分かるリトマス紙みたいなものかもしれない。そんなことすら思わせられる稀有なヴォーカリストである。

最終更新:
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