【データで振り返る2020】来年も1枠は押さえるべき?異例づくめだったクラシック戦線
たった3頭の世代限定GI馬
当たり前だった週末の競馬観戦は2月フェブラリーSが最後になってしまった。観客が消えた競馬場で繰り広げられた3歳クラシック戦線は、牡牝ともに無敗の三冠馬誕生という史上類をみない結末で幕を下ろした。同一年に無敗の三冠馬2頭、我々は果たしてこんなクラシックを生きているうちに再び目撃することがあるだろうか。たとえフィクションの世界であっても描けないような2020年クラシック戦線についてデータで振り返ってみたい。 【京都金杯 2021予想】有力馬はシュリ、ピースワンパラディ他 中京開催大歓迎な本命馬は?(SPAIA編) JRAで施行される3歳限定GIは桜花賞、皐月賞、NHKマイルC、オークス、日本ダービー、秋華賞、菊花賞の7つ。ここ3年の勝ち馬数とその内訳をみていく。 今年はコントレイル3勝、デアリングタクト3、ラウダシオン1のわずか3頭。19年は複数勝利した馬はおらず、すべてバラバラの7頭(サートゥルナーリア、ロジャーバローズ、ワールドプレミア、グランアレグリア、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシス、アドマイヤマーズ)。アーモンドアイが三冠を達成した15年でさえ5頭(アーモンドアイ3、エポカドーロ1、ワグネリアン1、フィエールマン1、ケイアイノーテック1)なので、3頭は突出して少ない。NHKマイルCが創設され、3歳限定GIが7つになった96年以降、もっとも少なかった勝ち馬数は4頭だった。 04年(スティルインラブ3、ネオユニヴァース2、ウインクリューガー1、ザッツザプレンティ1)、05年(ディープインパクト3、ラインクラフト2、シーザリオ1、エアメサイア1)、12年(ジェンティルドンナ3、ゴールドシップ2、ディープブリランテ1、カレンブラックヒル1)など自然と三冠馬が出た年に限られる。これらを超える少なさだった2020年 の記録、破られる日は訪れるのか。
ノーザンFの逆襲はすでにはじまっている
デアリングタクト(長谷川牧場)、コントレイル(ノースヒルズ)いずれもノーザンFの生産ではなかったことで特徴的な数字が以下のようにあらわれた。 三冠馬2頭を敵に回しても獲得賞金トップ(12億4910万円)のノーザンF、これはこれでスゴイ記録だが、着度数でみるとノーザンFは【8-18-15-96】で2位ノースヒルズ【7-1-1-22】を辛うじて振り切った形。1着の2倍以上ある2着がノーザンFの底力でもあり、ジレンマともいえる。というのも19年のノーザンFは【20-15-18-105】獲得賞金21億7290万円で勝利数・獲得賞金ともにダントツ。同牧場の勝ち切る強さが今年に限っては発揮されなかった。 3歳に限らず19年2歳戦も含めた世代全体の数字である。ノーザンFはこの世代2歳重賞合わせても【16-25-21-119】とやや勝ちきれない傾向が世代全体にあったことがわかる。だがそれはこの世代だけの話で、ひとつ下の2018年産2歳重賞(朝日杯FSまでの13R)におけるノーザンFは【11-7-5-22】、2位1勝ビッグレッドF(リンゴアメ)ほかを寄せつけず独走中。来年もノーザンFに逆らっては馬券的中から遠のきそうだ。