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「依頼してくれてありがとう」小説家62人が動く 子どもたちに贈る「いつもと違う夏休み」企画とは?

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感染症防止対策のため父親の見舞いができない子ども、「夜カフェ」を営む中学2年生が、自粛中オンライン相談を受け付ける――。児童文学や時代小説、ファンタジーなどの作家62人が、7月1日から8月31日まで、毎日1編ずつ、ショートストーリーの発表を続けています。対象は、コロナ禍の子どもたち。企画の担当者は「いつもの夏休みと違う今年の夏休みに、ささやかな楽しみを届けたい」と話します。(金澤ひかり) 【イラスト】子どもが本好きになるには? 出版社が作った「5カ条」

私たちが愛する「物語」で

小説が発表されているのは、講談社が運営する文芸ニュースサイト「tree」です。 子どもたちがまだ一斉休校の最中だった5月上旬、編集部の有志から「(新型コロナウイルスの影響で)子どもたちの夏休みがなくなったり短くなったりするかもしれない。もし夏休みがあったとしても、いままでのように友達と大人数で集まったり旅行に行くことは難しいのではないか」という声があがりました。 その際、「いつもの夏休みとは違う今年の夏休みに、私たちが愛する『物語』でささやかな楽しみをお届けしたい」との意見が出て、企画につながったそう。 担当者は「こどもたちは勉強に遊びに忙しく、さまざまな魅力的なものや刺激的なものに囲まれていると思います。そのなかで物語だけが特別な力を持っているとは思いません」としつつ、「私たちの仕事は、小説の編集をすることです。私たちがこの"困難な状況"でできることは何かと考えたところ、やはり作家の方々に物語を書いていただき、それを届けることでした」と話します。

時代小説、SFの作家も賛同

実はtreeでは、今回の企画以前から、新型コロナウイルスによる社会の閉塞感を念頭に「小説家の力で、読むことで、少しでもみなさんの心を明るくしたい」との願いを込めた企画「Day to Day」を続けていました(5月1日から、辻村深月さんをはじめとする100人の作家が参加し、コロナ禍の日本を舞台にした小説を発表。最終回は8月8日)。 今回、「Day to Day」よりも、対象を子どもに寄せた企画をスタートさせるにあたり、児童書や時代小説、ファンタジー、SF、ミステリーの著者を中心に執筆を依頼しましたが、「『Day to Day』を読んでいた。自分にも何かできないかと思っていた」という返事が多く返ってきたそうです。 担当者は、「原稿を依頼してお礼を言われるということはあまりないのですが、今回は多くの著者から、『依頼してくれてありがとう』と言っていただけました」と、企画のコンセプトと作家の思いが一致した企画であると話します。 企画は「story for you」と名付けられ7月1日から8月31日まで、最果タヒさんや、折原みとさんら62人の作家によって毎日1編ずつ、自由な舞台設定での小説が配信されています。どんな人でも読めるように、全ての作品にルビが振られ、英語や中国語版でも同時に公開されます。 担当者は「おとなと同じように、こどもたちの置かれている状況も、ひとりひとり違うと思います。『こういうことを伝えたい』という特定のメッセージはありません。いつもの夏休みと違う今年の夏休みに、ささやかな楽しみを、私たちが愛する物語でお届けできたらと思っています」と話しています。

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