病院2軒が分娩中止へ、伊賀地域で対応可能は1軒のみに…市は「どんな影響出るか予測つかない」
三重県伊賀市緑ヶ丘本町の「中産婦人科緑ヶ丘クリニック」(中義章院長)が、来年3月いっぱいで分娩(ぶんべん)・入院の取り扱いを中止すると発表した。すでに名張市鴻之台の「武田産婦人科」も来年1月15日で分娩を中止すると発表しており、伊賀地域で分娩を取り扱う医療機関は、伊賀市上野忍町の森川病院だけになる。
中産婦人科のホームページによると、「伊賀地域の人口減少と出産数の減少で、分娩数も年ごとに減少している」と、中止の理由を説明。4月以降は婦人科、内科、小児科などの診療を継続。産科については妊娠の診断や産後ケア、里帰り出産の妊婦の健診は続けるとしている。
伊賀市健康福祉部の中岡久美理事は「中産婦人科の分娩中止で、どんな影響が出るか予測がつかない。森川病院に引き続き、分娩を担っていただけるよう要請している」と話している。
同市によると、市内の出生数は2007年度の834人をピークに減少し、昨年度は過去最少の419人となった。