メタバースと混同されがちな「NFT」「Web3.0」を解説。なぜバズワードと呼ばれるのか
メタバース。 インターネット上に3次元の仮想空間を作ることができるテクノロジーで、自分の分身であるアバターがバーチャルの世界を自由自在に移動できる、話題のバズワードです。 メタバースの今後の可能性に早期から着目していたのが、著書『お金2.0』が20万部を超えるベストセラーとなり、2018年のビジネス書で売上日本一を記録した起業家・佐藤航陽さん。 そんな佐藤さんが解説する、「“今”メタバースに注目するべき理由」とは? 担当編集者・箕輪厚介さんも絶賛する新著『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』より、一部抜粋してご紹介します。
メタバースと「NFT」の関係性
メタバースの話が出てくると必ずといっていいほど出てくる言葉に、「NFT」があります。 メタバース=NFTのことだと誤解している方も多いのでここで触れておきたいと思います。 NFTとは簡単にいうとオンライン上の画像や動画や音声などのデジタルデータを、現実世界のトレーディングカードやグッズのように売買したり流通させたりするための技術と考えるとわかりやすいでしょう。 NFTは「デジタル所有権」とたとえられることもあります。 ネット上ではデジタルデータは無限にコピーすることができるので、物理世界のようにグッズやアイテムに希少価値を発揮させることが非常に難しいとされてきました。 そこで、ブロックチェーン技術の「改ざんが難しい」という特性を利用して、デジタルデータに対して現実世界のグッズのように唯一無二の希少性を与えて、バーチャル空間にも物質の有限性を再現しようとする技術がNFTです。 将来的にメタバースとNFTの技術が融合する可能性は高いですが、現段階においてはこの2つの技術は全く別物であり、「相性が良いかもしれない」という点だけが一人歩きして混同されていることが多いです。 メタバースはざっくりいえば、「相互交流できる3次元バーチャル空間」程度の定義ですが、それがブロックチェーン上で動く必然性は今のところありませんし、メタバース内の3DデータがNFT上で売買されたり流通したりする必要もありません。 つまりメタバース領域においてはNFTやブロックチェーンの要素は「あってもいいけど、なくても成り立つもの」という認識であり、実際にそれをサービスに必須と考えているコンテンツもプロデューサーやゲームクリエイターもほとんどいないです。